第10回製菓・製パン分科会より  
 
 
     
 
 


メープル・ブラン

大阪分科会では、ホテルニューオータニ大阪に勤務されており、最近めきめきと頭角を現してこられた、新田英資氏に講習をお願いしました。新田氏はホテルニューオータニひとすじ、十数年間にわたってつちかってこられた技術や知識を披露してくださいました。

 新田氏のお菓子は、講習時の姿勢や言葉から受ける印象と同様、スマートで、清潔感と温かみのあるものでした。

 ホテルの製菓と製菓店の違いについてもお話されました。例えば、ホテルでは製菓店のように同じ製品を大量に作ることは少ないが、デザート菓子、ウエディング用の菓子などの種類が多いこと。また、食中毒に細心の注意を払い、用途によっては完全に滅菌された冷凍品を用いるのもやむを得ないことなどです。しかし、美味しいものを美しい形に組み立て、自信を持ってお客様に提供できるように努めていると言い切られます。

 また、新田氏は様々なコンクールにも参加されています。コンクールに参加するようになったのは、ホテルでは限られている人とのつながりが持てたり、他の参加者から刺激を受けたり、また短期間に集中して作品を作り上げる達成感を得られるからだそうです。コンクールで賞を頂く以上に、参加すること自体から得ることが多いと言われていました。

タルト・ダブリコ・
エ・フリュイ・
エキゾティック
 
 
   

イコア



  国立校のコンピトゥム分科会では、「お客様との繋がりを大切に!」をモットーにしておられる『ラ・ヴィ・ドゥ−ス』の堀江新氏に講習をご依頼しました。

 今回は春向けのお菓子ということで、いちごを使ったガトー、ピスタチオとホワイトチョコレートのムース、卵白を用いないコクのあるマシュマロの3品をつくっていただきました。

 授業は懇切丁寧で分かりやすく、基本を重視したつくり方と説明をされ、受講生の方々にとって満足のいく内容であったと思います。受講生との質疑応答では、「お菓子をつくる上で何を心掛けておられますか?」、「店を経営する為に必要なことは?」といった、客に対する経営者側の信条を聞き出す質問が出ました。堀江氏の信条は、お菓子をつくる場合でも店を経営していく上でも、人とのつながりを大切にするということ。

 お客様の満足のいく製品を納得のいく価格で提供し、また従業員にも喜んで働いてもらえる為には何をすればよいかを常に考えておられます。厳しさの中にも思いやりのある店作り、人作りを心がけておられるそうです。

 これからも更なる躍進が期待されるお店の一つだと思います。


ギモーヴ・フランボワーズ


ル・ペリゴール