第7回西洋料理分科会より  
 
 
     
 

 


 


舌平目のムニエル、
シャンピニョンの
軽い煮込み添え

 

 

 

 

 

 

 今回は東京・渋谷「オテル・ドゥ・ミクニ」オーナーシェフの三國清三氏に講習をお願いした。三國氏は30才の時、店をオープンさせたので、もう17年前のことになる。
 以来、「コート・ダジュールミクニズ」(横浜)「ミクニズ マルノウチ」(丸の内)、「ミクニナゴヤ」(名古屋)そして丸の内レンガ駅舎地下に「東京食堂」を開店。三國風回転すしが好評である。
 そんなお忙しい三國氏であるがこの分科会を快く引き受けていただいた。三國氏は50歳で「引退宣言」をされていて、後はスタート時のサカナザのように小さな店で新しい自分を見つけるために再出発する。そのためにも今のものはすべて終え、また後進の育成にも力を入れたい旨、雑誌のインタビューにも答えておられた。今回の分科会は今までに増して大勢のコンピトゥム会員が集まった。三國氏の料理のテクニックもそうであるが氏の料理に関する考え方などの話に集まった会員の皆さんも興味津々、矢継ぎ早に質問が飛び交った。
 まず料理講習では、キノコのスープ・カプチーノ仕立てにアラン・シャペルのエスプリを感じた。また、ソールのムニエールでは使うバターの量、ムニエールの基本など三國流持論を解説。その中でも印象に残るのは三國氏が、このシャペル氏から「素材を大切にする」という円熟した考え方、そして最初の師、スイスのフレディ・ジラルデ氏からは、即興的な素材との対話から生まれる料理に影響を受けたと言う。最近、氏の店のメニューには「フランス料理」と書かず「自然派創作三國料理」とある。これも自然や素材に敬意を込めて氏が名づけているものである。
 今後ますます活躍されるであろう三國氏のこれからを注目していきたい。

野生きのこの
カプチーノ仕立て、
ムッシュー・
アラン・シャペルの
思い出

オレンジのグラタン
“マダム・フランス”