辻調理師専門学校本館新校舎が竣工し、
今年1月から授業が行われています。
3月29日(金)には、卒業生及び関係各位への
新校舎披露会を行いました。


本館および通りをはさんだ「南館」に、
辻調理師専門学校が統合されました。
本館南館合わせて
昼間部1920名夜間部80名の学生が
すべてこの2つの校舎で学ぶことになります。
最新の設備機器類を満載した教室はもちろん、
パブリックスペースにも
いろいろな工夫を凝らしています。
今回はそんな新校舎の
ディテールを中心にご紹介します。

 
   
■エントランスを通り抜けると6階までの吹き抜けスペース。天井から自然光をとりいれた明るい空間です。1階には、デモンストレーション・ルーム、セルフサービスの来客用「カフェ・コンピトゥム」、視聴覚室、校長室などを備えています。  
 
 

カフェ・コンピトゥム
■1階のロビーに面して来客用の「カフェ・コンピトゥム」があります。セルフ・サービスのエスプレッソマシンを置き、ご来館の皆さんにゆっくりくつろいでいただける応接スペースです。
  壁にかけられているのは、チャールズ・ジョーンズ という英国の庭師が100年以上前に撮影した野菜、果物の静物写真。身寄りのなかったこの人物が亡くなった際に、弁護士が彼の私物を全てトランクの中に入れて蚤の市に出品していると、たまたま通りかかったアイルランドの美術収集家がそのトランクを購入しました。開いてみたところ、中に入っていた野菜類の写真のあまりの美しさに感銘を受けて著作権をとったという、数奇な運命をたどった作品です。「カフェ・コンピトゥム」にはその中から6枚の写真が飾られています。プロの写真家以上に野菜の生命をとらえており、この人物がいかに農作物を愛していたかが鮮明に表現されている写真です。ぜひじっくりとご覧ください。

 


 
 
 

■Docendo Discimus ドケンド ディスキムス−教え、学ぶ。辻調の校是である「学生に教えることによって職員一同も学んでいくのだ」というこのラテン語の格言は、辻芳樹校長の直筆をいかして、エントランス左手に掲げられています。

 
 
 


視聴覚室

■料理写真の撮影や試作に使われるガラス張りのデモンストレーション・ルーム、大型ビデオモニターを備えた視聴覚室などがあり、今後コンピトゥム分科会にも使用していく予定です。
デモンストレーション・
ルーム
 
 
■2階の職員室のとなりには、4500冊以上の専門書を自由に閲覧できる図書室。フランス、イタリア、日本、中国、エスニック、製菓、ワインなどの料理書から、食材、食文化、栄養、飲食店経営など、食に関するあらゆる分野の書籍がそろっています。
 
 

中国料理実習室
■本館には西洋料理と中国料理の実習室・講習室が配されています。いずれもそれぞれの分野の専用厨房で、全室スチーム・コンベクションオーブン設置。ガラス窓を大きく取った明るい教室で、空調、デスク、イスにもこだわり、快適性にも十分な配慮が図られています。
西洋料理実習室
 
 
 

■ロビースペースに入ったすぐ右手には巨大なブロンズのオブジェが飾られています。製作者は、フランス・リヨン在住の彫刻家ポール・ボスラン氏。はるか遠い未来に考古学調査によって現代の事物が発掘されたという場面をイメージして、無数の調理器具が集合圧縮されています。重量は約500キロ、構想から仕上げまで10ヶ月を要しました。
 
 
 
  ■2階や3階にも、いたるところにアート・オブジェが飾られています。フランス人のカメラマン、ルボワ氏の撮影による「フランス校の四季」や、ボキューズ氏の魚釣り風景の組写真、辻調グループ教授陣の手によるメニュー・イラストなどなど。これからも続々追加予定です。