あらゆるジャンルで活躍する
プロフェッショナルな女性たち。
外食業界でも例外ではありません。

第一線で活躍する卒業生の女性たち
11名にスポットを当てて、
今までのこと、現在の仕事、
そしてこれからの夢などを尋ねてみました。

それぞれの生き方があり、
それぞれの充実感があります。
ただ、全員に共通するのは「元気!」ということ。
パワーがあります。
エネルギーがあります。
そんな彼女たちの声を聞いてみてください。

 
      
 

水野 理恵子(調理32期生・フランス校調理22期生)
イタリア料理『クリスマスローズ』




 
●「料理上手な母の影響かも知れませんが、物心がついた頃から包丁を触っていた記憶があります」という水野さん。小学生の頃になると本を見ながらお菓子を作ることが毎週末の行事になっていた。実に料理の申し子のような水野さんが、料理分野に進学を決めたのはごく自然なことだった。

●辻調、そしてフランス校卒業後、東京都内の2軒のイタリアンレストランに勤務した後、地元の愛知に戻り、イタリアレストラン『クリスマスローズ』をオープンさせる。ポジションはシェフ、といってもお母さんの経営する会社組織の店なので、ほとんどオーナーのようなもの。

●店名の「クリスマスローズ」とはある花の名前。この花は別名「パーフェクト・フラワー(完璧な花)」といい、花の種類の少ない時期である2月、3月にも小さな花を咲かせる。この花にちなんで控えめながらも、皆さんに愛していただけるような店にしたいという意図を込めて命名したという。

●「愛情を込めたら込めただけ、お客さまから応えが返ってくるのが、この仕事を続けていられる原点だと思います。確かにきついし、つらいし、すべてがハードな仕事ですが、だからこそ頑張ったらその分喜びも大きいといえます」。客層は8割が女性で年齢層は幅広い。「将来の夢は料理を作る楽しさを人に教えられる立場になれれば、と思っています。私自身のライフスタイルに無理なく料理が入り込んだ環境が作れるような、そんな素敵な人生を送ることができればいいですね」。

 
  イタリア料理『クリスマスローズ』
愛知県刈谷市神明町7−60
Tel.0566-23-1155 Fax 0566-23-6858
  
 



中村 奈代(調理31期生)
パスタハウス『Spaghetti OTOMO』



 
  ●中村さんが料理人の仕事に興味を抱いたのは高校生の頃、飲食店でホールのアルバイトをしてからのこと。ただ、お祖母さんが旅館を経営していたせいで、子ども時代から接客にはなじみがあったという。

●辻調卒業後は、某ホテル内のフランス料理厨房に就職。その後はパスタの専門店などで仕事をしてきた。自分の店を持ちたい、という夢は料理に関わり出してからずっと持ち続けてきたが、実際にはなかなか踏ん切りがつかず、亡くなったお母さんが言った一言「自分の店を持ちなさい」という言葉で勇気を得て決心、3年前にパスタ専門店を開業した。

●店内にはオープンキッチンのカウンターとテーブル席があり、すべて仲間たちで仕上げたという内装からは手作りの温かさが伝わってくる。客層はOLや、子ども連れの主婦の方など女性が中心。スタッフは、中村さん以外に男性1名、女性1名の計3名。誰も調理用の白衣を着ていない。思い思いのスタイルでパスタを作り、サーヴィスを行っている。「私は調理服で店に立ちたくないんです。これがパスタ・ハウス『OTOMO』のスタイルなんです」。スタッフと軽口、冗談を交わしながら、おいしそうなパスタを仕上げていく中村さん。食器からBGMにいたるまで“カジュアル&フレンドリー”だ。

●「アットホームな感じの隠れ家的なお店に育てていきたいと思っています。その先の夢は、メニューから店の内装、BGM、ユニホームまで“OTOMO”イメージでプロデュースした店を数軒持ちたいですね。とにかく企画が好きなんです」と語る中村さん。8月からは夜8時からがバータイムとなり、『Bar OTOMO』が始まった。

 
 
パスタ・ハウス
『Spaghetti OTOMO』

和歌山市友田町3丁目52 高島ビル1F
Tel.073-422-6408
  
 
 

杉本 都香咲(製菓6期生・フランス校製菓11期生)
製菓教室『メ・ザンファン・カプリシュー』


 
  ●ケーキ好きのお父さんに連れられて、ケーキ屋によく通った小学校低学年の頃から杉本さんはお菓子作りに興味を抱き出した。フランスへの憧れを生み出したのは夢中で読んだコミック『ベルサイユのバラ』。

●仕事で滞在したフランスで出会ったさまざまなパティシエたちの自分のお菓子へのこだわりなどを知り、「自分が教えたいお菓子を教えることのできる場所を持ちたい」と思い、2000年3月に勤務先の辻調グループ校を退職し、2001年3月に教室を開講。

●もちろん製菓店を開業することも考えたという。ただ、それにはノウハウが不足していると考え、「教えること」を選択。

●教室の名前は“気まぐれな子どもたち”という意味。いつも思うようには出来上がってこないお菓子たちの例え。さらなる夢は?「たくさんあります。毎日、いろんなことを思いついて、おそらく仕事を続けている限りやりたいことは増え続けていくと思います」。将来“気まぐれな子どもたち”が並ぶ素敵なお店ができることを楽しみにしたい。

 
 

製菓教室
『メ・ザンファン・カプリシュー』

東京都武蔵野市吉祥寺南町2−3−15
パローレ吉祥寺1−606
Tel.0422-70-1373

  
 
 

島田 陽子(国立製菓カレッジ5期生)
洋菓子『シェリール』



 
  ●長崎県諫早市にメルヘン調の可愛いケーキ&ティーサロンがオープンしたのは2年前の10月のこと。子どもの頃からクッキーなどを作るのが大好きだったオーナーシェフの島田さん。

●国立校の製菓カレッジ卒業後は千葉の洋菓子店で3年間、現場を経験。この間も時間の許す限り徹底的に都内の製菓店を食べ歩き、目と舌を肥やすことに費やした。1999年に帰郷し、開店準備を行いつつ、ヨーロッパにお菓子を食べ歩きに出向いたりしながら自分の味を追求。現在はお客や周りの人たちに見守られて、お菓子作りの幸せを味わっている。「夢のあるおいしいお菓子を提供し続けたいと思います。将来はお菓子教室も開きたいですね」と語る島田さん。

 

 

ケーキ&ティールーム『シェリール』
長崎県諫早市永昌町19−15
Tel.0957-25-2655
 
 
 

星野 朋恵(調理28期生・調理技研1期生)
フランス料理『Bistro H』



 
 

●辻調卒業後、技研に進学、その後同グループ大阪本校及びフランス校に職員として勤務。退職後、故郷の函館にビストロをオープン。

●「私はまったくレストランでの実務経験がないので、今思うとかなり無謀なことをしました」と語る星野さん。小学生の高学年から中学生の頃、TV番組の『料理天国』を観て料理に興味を持った。薬局を経営する多忙なお母さんに代わって、料理本を片手に見よう見真似で料理にチャレンジしたのが始まり。

●「後輩たちを指導していく仕事もとても興味深かったのですが、店を持ちたいという気持ちはずっとありました。思い切って開店を決めたきっかけは全てのタイミングが合ったということでしょうか.。」

●店をオープンして1年、少しづつ顧客もついてきて安定してきている。客層は、昼間はOLたちや主婦たちが中心で、夜は近在の病院の看護婦や医者たちが通って来る。「料理の中身はまだまだですね。さらに充実させたいです。そして、誰でもふと気軽に入れる店になればと思っています」。辻調の元職員という経歴のためか、料理教室を開いて欲しいという要望もあるという。「将来、時間に余裕ができればそのようなこともやってみたいと思いますね。とりあえず人に教えるのは好きなのかもしれませんね」。

●快適な夏場もいいが、ぜひ素材がぐんとおいしくなる冬の北海道、星野さんの料理を味わいに訪れてみてはいかがでしょう。

 
  フランス料理『Bistro H』
北海道函館市本町32−1
Tel.& Fax.0138-53-5111
 
 



宮本 麻紀(国立製菓カレッジ5期生)
ベーカリー『ベーグル』


 
  ●住宅街の中、うっかりしていると通り過ぎてしまうような小さな店。入り口の前に据えられた青い郵便箱、手製の味わいのあるロゴ入り看板などが親しみやすい目印になっている。中に入ると約2坪ほどのスペースの売り場があり、そこにベーグルを中心に、ぎっしりと各種のパンやクッキー、サンドイッチなどが売られている。

●オープンは3年前の4月。オーナーは2人の姉妹。お姉さんの麻紀さんが国立校の卒業生。先にパン作りに目覚めたのは妹の早苗さん。早苗さんは都内の某製菓専門学校の夜間部でパン製造を学び、都内のベーカリーに就職。一方、麻紀さんは国立校卒業後、都内のパティスリーに就職し、製菓技術に磨きをかける。

●ある時、姉妹2人で訪れたニューヨーク。ここですべてが急転回する。「なんでしょうね、あれは。ニューヨークという街の魔力ですかね。私も妹もあの街をぶらついている間にいきなり自分たちで店をやろうというパワーが出てきたんですよね」と語る麻紀さん。もちろん「いつか自分たちの店を持ちたいね」とは姉妹でよく語っていた夢だ。ニューヨークという街の持つエネルギーの中に浸った時に、俄然その決心が強くなったのだろう。そして、何よりも「街にしっかりと密着した素敵なベーカリーを目にしたこと、そんなベーカリーで食べたベーグル、このおいしさに魅せられたこと」が大きな引き金になった。

●自宅近くに格安で小さな物件を偶然見つけた時にこの夢が現実のものとなる。初期投資額500万で開店。当初は売り場スペースのレイアウトミスや厨房の設計ミスなどが重なったが、客足だけは開店当日から後を絶たないという順風なものだった。現在ではしっかりと地域に密着した愛されるベーカリーになっている。 「この近所はけっこう海外赴任を経験された方々が多くって、懐かしがって買っていかれます。でも、最初はアンパンありますか?なんて言われたこともありますよ」。あくまで対面販売にこだわる。「やはり一番お客さまの反応がよく分かりますし、親しみもあると思うのです。」

●朝の2時にはアトリエに入り、夜遅くまで働きづめの2人。「仕事そのものが楽しいですから、それほど疲れは感じません。ただ、1年に1カ月の休みをいただいています。それぐらいは許してもらえるかなって(笑)」。長期休暇期間中には、それぞれが海外に赴きベーカリーや菓子店を見て歩くという。

●将来の夢は「カフェを開きたいですね。おいしいパンを中心とした朝食やブランチが気軽に食べれるカフェですね。私たちは2人共お酒がだめなので夜よりも朝に興味がいっちゃうんです」。実にパワフルな2人。きっとこの店にやってくるお客さんは、おいしいパンもさることながら、彼女たちのパワーにも引き付けられているに違いない。

 
  ベーカリー『ベーグル』
東京都杉並区成田東1−13−1
Tel.& Fax. 03-5397-2339
 
 
 



村山 さおり(調理29期生)
フランス料理『ミストラル』


 
  ●村山さんは子どもの頃から料理を作るのが大好きで、家族に作って「おいしいね」と言われるのが実に嬉しかったという。中学生の頃から料理の道に進むことは決めていた。辻調グループ校への進学を決めたのは当時TV放映されていた『料理天国』を観てのこと。

●辻調卒業後、就職したのがこのお店。それ以来この店一筋でもう10年以上たつ。「私はもともと引込み思案で、人見知りする性格ですから、料理人なら厨房で静かに料理を作っていられると思っていたところもありますね。でも、ここへ就職して、最初サーヴィスを任せられて、だんだんと人と話すことに慣れてきました。まだあまり積極的とは言えないですけれどね」。料理を志していた村山さんがワインに興味を持ったのは、料理の風味をさらにおいしくしてくれるワインというものに驚きを抱いたからだ。しかし、料理への興味が薄れたわけではなく、今でも料理の仕込みはしっかりと手伝っている。ワインを知ったことで、料理への興味はさらに増大したという。

●この店のスタッフは村山さんとオーナーの2人。勤務時間は午前8時から夜中近くまで。「勤務時間が長いし、体力的にも厳しい業界ですので、徹底的にこの仕事が好きなことと体力があることが仕事をしていく条件でしょうね。」
●ソムリエという仕事は「私が思うには女性に向いているのではないでしょうか。女性の方が香りに敏感なような気がします。ソムリエを志す方は必ず料理も勉強してください。料理があってのワイン、ワインがあっての料理ですから。夢は、いつか自分の好きな料理を好きなワインと一緒に出す小さな店を持ちたいですね。でも常連客のために当分ここにいます」と終始爽やかに、しっかりと語ってくれた。

 
  フランス料理『ミストラル』
大阪市北区豊崎3−15−4 オーツエU103
Tel.06-6376-5702
 
 
 

川崎 直樹(調理26期生)
裕子(旧姓森淵)(製菓3期生)



 
  ●ご夫婦そろって辻調グループ校の卒業生。ご主人の直樹さんは辻調卒業後、今はなき神戸のフレンチレストラン『ジャン・ムーラン』へ就職、その後東京のパティスリー『ル・スフレ』、『オー・ボン・ヴュー・タン』と製菓技術に磨きをかけ、渡仏。帰国後、大分のパティスリーで仕事に従事していた。もともと調理畑出身、そんな直樹さんが製菓に目覚めたのは『ル・スフレ』のシェフ、永井春男氏の仕事ぶりに惚れ込んでだという。

●一方奥さまの裕子さんは製菓学校の卒業生。神戸『ケーニヒス・クローネ』『パティスリー・ジャン・ムーラン』などで製菓の技術に磨きをかける。叔母が喫茶店を経営していたこともあり、裕子さんは以前よりお菓子に興味を持っていたことと、母と祖母のすすめもあって製菓の道に進むことを決めた。

●独立を決めたのはいつ頃?「上京後、結婚を機にです」と直樹さん。「辻製菓に入学した時にはそういう気持ちがすでにありましたが、やはり結婚を機にでしょうか」と裕子さん。お2人が出会い、パワーが増したということなのだろう。裕子さんの地元にこの店がオープンしたのは1998年12月のこと。客層は家族連れ、年配の女性たちが中心。とにかく「お客さまが満足できるお店に育てたいと思います」。夢は?「商品の充実と店舗の拡大」と直樹さん。「たくさんあって困るぐらいです。中でも気になるのはアレルギーを持った子どもたちのためにかわいくて楽しいケーキを作ることができたらと思います」。息の合った二人三脚を見せてくれるお2人です。
 
 
パティスリー『12ヶ月』

福岡県行橋市南大橋4−3−13
Tel.0930-23-5391
 
 
 

新田 叔恵(調理技研1期生)
中華食堂『一楽』


 
  ●ご両親が創業されたお店をしっかりと継がれている新田さん。お菓子作りは小学生の頃から大好きだった。お酒を飲むようになり、技研で料理を学ぶようになると俄然「おいしいもの」に興味を持ちだしたという。

●この店の一番の売り物はお母さんが1983年に考案された「一楽ちまき(商標登録済)」。当初はなじみの無さから不人気だったこの中華ちまきも、今では大人気。

●お店のHPには<おしゃべりコーナー>などがあり、地域の常連客との交流を図ると同時に、ネットで「一楽ちまき」の注文などもでき、全国市場にもしっかりと視点を据えている。「将来は、季節のものを取り入れた料理で予約のお客さまを受けたいという夢がありますね。」

 
  中華食堂『一楽』
広島県尾道市久保2−10−12
Tel.0848-37-5862
 
 
 

岡部 美樹(調理31期生・フランス校調理21期生)
『アトリエMIKI』


 
  ●岡部さんの経歴を一言で述べるのは難しい。辻調、そしてフランス校卒業後、都内ホテルに勤務、その後渡米し、ワシントンにあるオーガニックレストラン『Nora』、『Cashion’s EAT PLACE』に勤務した後、再度渡仏、パリ郊外の料理学校『LaVarenne』にてスタッフとして勤務。その後、南仏のレストランで研修を行い帰国するが、次なる興味は東南アジアへ。タイで料理のディプロムを取得、ヴェトナムで料理学校に通い、インドネシアを訪問した後に帰国。地元福島に天然酵母パンを作るアトリエを構える。

●パン窯の薪には桜材、厳選した国内産小麦粉、近隣の山中から汲み上げた地下水、完全天日乾燥の塩だけを原材料とするというこだわりようだ。ここまでこだわるのは岡部さんの「食」に対するポリシーゆえ。「食は直接身体に入るものです。だからこそきちんとしたものを選んでいきたい。薬づけの野菜や肉、遺伝子組み替え食品などは本当に危険なのだということを皆さんに分かってもらいたい」と岡部さんは言う。

●岡部さんはこの他にも、料理人にとっての「羊肉」という食材にとことんこだわっている。その理由は「羊肉は子どもの頃から食べてはいたのですが、おいしさの割にそれほど普及していないこと。それには流通やそれまでの肉の取り扱いなどのさまざまな問題があると思う。そこに取り組みたかった」と言う。

●“シープジャパン”という協会の会報「生産物情報」に“羊とフランス料理調理人”と題したエッセイも連載し、地元では羊や名古屋コーチン種鶏なども飼育している。そして、これらの食材の料理法などを東京・白金にある川島智子さん主宰の製菓・料理教室で披露。一般対象の講習会、出張料理、賞味会などで紹介、パワフルな活動を続けている。

●将来の夢はという問いに「正しい食を提供したい」とシンプルかつ深い答えが返ってきた。

 
  『アトリエMIKI』
福島県石川郡平田村大字中字倉見上713
Tel. 0247-54-3603
 
 
 

野田 希(国立製菓カレッジ6期生・フランス校製菓24期生)
洋菓子 『ドルチェ・マリリッサ南青山店』



 
  ●国立製菓カレッジ卒業後、フランス校製菓コースへ。帰国後、フレンチレストランに勤務し、ホールとワイン管理の仕事に就く。「フランス校でレストラン・デセールというものに出会って興味を持ち、レストランに就職したのですが、なかなかデセールの仕事に入れないし、体力的にもきついし、だめでしたね。挫折しました。」

●その後、都内の某有名カフェで、デザートを担当するものの数カ月で退店。「生意気だったんでしょうね、きっと。で、一度作ることから離れようと思って、プー太郎をしていました」。料理上手なお母さんの影響で小学校低学年の頃からお菓子を作り、誰かにあげることを無上の喜びとしていた野田さんが何も作らないでいられたのだろうか。「何も作らないでいると無性に作りたくなって、でも設備もないし、また就職することに決めたんです。」

●こんな野田さんだが、国立校へ願書を出す直前まで服飾関係に進もうかと迷っていたという。とにかく「ありきたりな平凡な人生は送りたくないって思っていたんです」。志す人たちがあまりに多い服飾関係の中で自分が頭角をあらわすことは非常に難しいと考え、同じぐらい好きな製菓の道に進むことを決めた。現在の店に就職して3年目になる。同会社経営で都内に6店舗ある。南青山店は第1号店。野田さんは目黒店と南青山店のグループ・オフィサーという肩書きを持っている。ほとんどの日は南青山店でたったひとりで16種類のお菓子を作っている。仕事はそれなりにきつい。「疲れますよ。へとへと。でも、病気にならないですね」。この仕事をしていてもっとも楽しい時間は「思いついた新しいお菓子を実際に作っている時でしょうか。それが売れた時は“やった!”って思いますね」。
●将来の夢はやはり自分の店?「自分の店を持つことですか?けっこう面倒な気もします。お菓子を作るだけではすみませんからね。とりあえずは自分のお菓子の本でも出したいですね。興味あることが多いですからねぇ。たとえば料理を作ることも大好きですしね。これがまたおいしい(笑)。自分でもびっくりするくらい(大笑)。とにかく興味のあることを自由にやっていきたいですね。」

●野田さんのお菓子を一言でいうと?「愛情ですね!!お菓子を食べてくれた人が幸せを感じてくれれば最高です」。じゃあ、野田さんのお菓子を食べながらカップルが喧嘩するなんて?「駄目ですそんなの。もう食べるなって感じ。お菓子を食べて仲直りしてくれるのならいいですけれどね。」

●後輩へのアドバイスは「とにかくいろいろなことに興味を持ってください。まず、興味を持たないと何も習得できないと思います」。バイタリティー、パワフル、まさに野田さんを形容する言葉だと思う。これからの成長がますます楽しみだ。

 
  『ドルチェ・マリリッサ南青山店』
東京都港区南青山5−3−27
Tel. 03-3400-1245