大阪府洋菓子技術コンテストの概略について教えてください。
 コンテストの主催は大阪府洋菓子協会です。同協会は、若手の製菓職人を対象として活動を行っていて、今回のコンテストは若手の技術向上を目的に開催されています。普段の仕事だけに専念していても、なかなか自分の到達している技術レベルが分からないと思います。そういった点では、若手だけでなくベテランも含めて積極的にコンテストに参加してもらいたいですね。辻調グループ校の職員も若手を中心に、コンテストには積極的に参加していますよ。

 川北先生はコンテストの審査員として参加されましたが、作品の全体的な印象はいかがでしたか?
 審査をして気になったのが、土台の仕上げがあまりきれいでないことです。スポンジをサンドする、バタークリームを塗る、チョコレートをかけるという1つ1つの仕事がおろそかになっているように感じました。飴細工など表面上の飾りつけに比べると、土台が力不足です。また、絞りや細い線書きといった技術についても気になりました。絞り始めの位置は本来後ろにあるはずなのに、前にあったり横にあったりで基礎がおろそかになっているのではと若干不安を感じました。色彩のバランスやパーツの接着についても、もう少し工夫が必要だと思います。全体的には、ぬきんでた作品がなかったのが残念です。今回の反省をもとにさらに勉強をして技術を身につけ、もっと上を目指してほしいですね。ちょっと辛口ですかね(笑)。
 ただ、経験年数が5年未満クラスの参加者からは前向きな姿勢を感じましたし、作品に驚きがありました。経験年数5年以上クラスの参加者は、お店で責任あるポジションを任されていて時間的にも体力的にも厳しいのかもしれませんが、経験年数に見合ったもっと高い技術力を見せてもらいたいですね。

 コンテストの今後の課題は?
 最近、コンテストへの若手の参加が若干ながら減り始めています。若手には参加したいという希望はあると思うのですが、仕事が忙しくて参加できないのでしょう。若手が積極的に参加できるように、お店のオーナーに働きかけてきたいですね。

 卒業生がたくさん参加されていましたね。
 辻製菓出身の卒業生もかなり多くなったのだなと感じました。やはり、卒業生の参加者が多いとうれしいですね。卒業生の皆様には、チャンスがあればぜひこうしたコンテストに参加してほしいですね。9月25日には、兵庫県で西日本洋菓子コンクールが開催されます。まだ申し込むことは可能なので、興味のあるかたはぜひ参加を検討してみてください。卒業生の成長と活躍を陰ながら応援しています。


●申し込み締切日:8月26日(金曜日)
●参 加 資 格:大阪、京都、兵庫、奈良、
         和歌山、滋賀、岡山の各洋菓子協会会員

※参加方法、競技内容などのコンクール詳細については各地区の洋菓子協会にお問い合わせください