卒業生の活躍情報掲載日:2013年3月15日

第50回 技能五輪全国大会

仲川 和馬
辻調理師専門学校 2009年卒業

全国日本料理技能士会連合会主催の日本料理部門第二位を獲得

第50回 技能五輪全国大会が、平成24年10月26日(金)~29日(月)の日程で長野県松本市の松本第一高校にて行われた。 技能五輪全国大会とは、23才以下の年齢制限で、厚生労働省、文部科学省などの後援で、専門分野の技術を競う。青年技能者の技能レベルの日本一を競う技能競技大会だ。その日本料理部門において、大阪府日本調理技能士会から大阪代表として辻調理師専門学校の卒業生、仲川和馬氏が出場し、2位を勝ち取った。平成20年に辻調理師専門学校を卒業、同年「日本料理店 むろ多」に就職、現在は煮方の勉強を始めている。同店では、昨年の原田氏に引き続き、2年連続の受賞となる。 仲川氏がこの立派な成績を修めたのは、本人の努力はもとより、原田氏同様、勤務先である「むろ多」のご主人、室田大祐氏との信頼関係が大きく関わっているといえる。 大会に向けての練習はお盆過ぎから始まった。朝8:00から夜10:00までは通常の業務をこなし、仕事が終わってから調理場で、ひとり黙々と練習を積み重ねた。大会1ヶ月前からは、規定時間に間に合うよう、三つの課題をこなし、すべての課題が完璧なものに仕上がるようにした。 本選は、全国の予選を勝ち抜いた総勢48名で行われた。課題は「小鯛活なます姿盛り」「牛蒡と鴨の小袖焼き・菊花蕪甘酢漬け」「芋寿司手綱巻き・蓮根甘酢漬け」だ。制限時間内に、「下ごしらえ作業」「調理作業」「盛り付け作業」を行い、その正確さによって勝敗が決まる。 第一課題「小鯛活なます姿盛り」(写真/文章下部)制限時間50分 作業中は「段取りと食材の取り扱い」に十分注意をはらったと仲川氏は語る。 第二課題「牛蒡と鴨の小袖焼き・菊花蕪甘酢漬け」(写真/文章下部)制限時間50分 鴨肉の切り出しにおける、厚みをそろえる工程を日ごろから練習した。重要なポイントであった、牛蒡の太さと巻きの強さについては「ご主人のアドバイスと自身の思いの融合」と仲川氏。 第三課題「芋寿司手綱巻き・蓮根甘酢漬け」(写真/文章下部)制限時間70分 もろ胡瓜の長さと幅を正確にそろえなければ、手綱巻きの完成度が低くなるので、時間がかかる。芋寿司のかたさがポイント。「甘酢を使ってかたさを調整する技術を先輩から教わり、完璧な『芋寿司手綱巻き』が完成した」と仲川氏。 ◇仲川氏から在学生に一言◇ 料理について知識や技術は勿論必要ですが、もっと大事なものは信頼・信用です。信用を取得するには礼儀を重んじ、挨拶と返事がきちんとできること。知識を身につけるには勉強が必要で、技術を身につけるには時間と訓練を要します。しかし、挨拶や返事は勉強も訓練もいらない、気持ちの入れ替えでよくなります。得意不得意のない誰にでもできることです。まず、そこからがんばってください。 文:日本料理 木村 栄至 辻静雄料理教育研究所 重松麻希
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    仲川 和馬 氏
    「日本料理店 むろ多」勤務
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    第一課題 「小鯛活なます姿盛り」
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    第二課題 「牛蒡と鴨の小袖焼き・菊花蕪甘酢漬け」
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    第三課題 「芋寿司手綱巻き・蓮根甘酢漬け」
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