地域を明るく照らす醸造所。

地域を明るく照らす醸造所。

  • 2023.04.13
    • 卒業生
BRIGHT BLUE BREWING 工場長 / 醸造士
エコール 辻 東京 2011年卒業

菊地 望さん

 お酒好きな人はたくさんいるが、好きが高じて実際につくりはじめてしまう人はそういない。しかも、平日は東京で仕事をして、週末だけ富士山の麓へビールをつくりにやってくる人は菊地さんくらいだろう。

「地元の雇用も創出していきたい」と話す菊池さん
元製氷会社の氷室だった建物を改装したブリュワリー

 クラフトビールの醸造所やパブを併設したブリューパブは、全国に500箇所以上あるらしいが、「そこと同じようなことをやっても意味がない」と菊地さん。おいしいビールをつくることが目的なのではなく、ビール醸造を通して地域を活性化させ、人々が日常的に集う拠り所になることが目的なのだそう。

 そのため、地元の人たちとホップ生産者組合をつくって耕作放棄地などで共同栽培をはじめ、地元産ホップを使ったビール醸造に取り組んでいる。

近隣の住民も参加できるホップ収穫祭なども実施している
麦芽カスは廃棄物にせず、肥料として畑へ循環させている

 さらには、出荷できない規格外の苺を地元農家から買い取って、クラフトビールとして生まれ変わらせるなど、地域をうまく巻き込みながら、地域に新たな目玉をつくろうとしている。最近では、農家や知り合いから「これを何とかビールにできないか」と相談を持ちかけられることもあるそうだ。

摘みたてのホップは香りも苦味も爽やか

 夜明け前に富士山と空が溶け合う瞬間の色を「ブライトブルー」と呼ぶそうだが、コロナ禍という長い夜が明けた後も、ブライトブルーブルーイングは地域を明るく照らす光として、きっと輝き続けるはずだ。

樽での販売もあるが、レストランにはボトルを中心に卸している
ワインのようなボトルは、置いてあるだけで絵になる
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