現状を前向きに楽しみ、改善する。
- 2021.12.10
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辻調理師専門学校 2004年卒業
畑川 豊さん
2018年の開店当初から必ず3店舗は展開すると決めていた畑川さん。コロナ禍の影響で、さぞや計画が狂っただろうと思っていたら「特に支障はなかったですね」と意外な返答が返ってきた。もちろん、コロナは売上にも営業形態にも大きな影響を及ぼしたが、オープン3年目を迎えてスタッフが育ってきたタイミングだったこともあり、2021年の9月に無事2店舗目をオープンさせたそうだ。
計画に支障をきたさなかった最大の要因は何なのか。それは、現状を前向きに楽しみ、どうすれば昨日よりも良くできるかを追求する姿勢だ。
「たとえ新卒のスタッフであっても、看板メニューのチャーシューを焼かせています。失敗したとしてもどこがダメだったのかを考察・理解させることで、スキルやモチベーションを上げていきたいと考えているからです」
コロナ禍中は時短や休業などで満足に営業ができなくても、スタッフ全員が向上心を持って改善を続けているため、テイクアウトのみで一日の売上目標をクリアすることもあったそうだ。
「住宅地の近くなので、店頭で惣菜のテイクアウトをやるとリピーターがつくようになりました。そこからランチの予約にも一定数つながっていきましたね」
そんな中で悩みの種にだったのは、夜の営業を再開した時にテイクアウトをどうするのかという問題。
「好調なのでテイクアウトを継続ということにすれば、人員を増強しないと続けていくのは難しい。でも、レストラン業務がやりたくお店をやっているのだから、テイクアウト中心に体制を考えるのはどうなのか。そんなことを色々と考えて、結局しばらく夜の営業はなしにしてテイクアウトを継続させることにしました」
「20時にはお店を閉めて帰っていたので、自由に使える時間がずいぶん増えたのはよかったですね。忙しくて会えなかった人と会って情報交換をしたり、いろいろな構想にじっくり考えを巡らせたり、時間を有効に活用できました」
事態を悲観的に捉えず、冷凍点心の事業化や開業・経営のプロデュースなど、前のめりに新たな構想を練り続けている畑川さん。こうしたブレない姿勢を支えているのは、辻調の職員時代に培った「辻調イズム」に他ならない。それはスタッフにも伝播し、やがて強力なお店の屋台骨になっていくに違いない。
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