店産店消という 新しい6次産業モデルを。

店産店消という
新しい6次産業モデルを。

  • 2023.04.17
    • 卒業生
ICONIC STAGE 総合プロデューサー
エコール 辻 東京 2004年卒業

マカロン由香さん

 辻調を卒業後、フランスで数年間修業していたマカロンさん。帰国後、当時の日本にはまだいなかったプロの出張料理人として活躍し、業界を牽引してきた。2010年には横浜で開催されたAPEC首脳会議晩餐会の食空間コーディネートも担当している。

高校時代は現代絵画の画家に師事して油絵をやっていたマカロンさん
キャンバスの上で表現していたことを、次第に料理や空間に落とし込むようになっていった

 そうした流れでプロデュース業の割合が多くなっていったマカロンさんが、今年新たに手掛けたのがアイコニックステージだ。その最大の特徴は、ビル1棟の中で「6次産業モデル」を実現しているところ。

 ビルの3階ではLED水耕栽培によってハーブや野菜、エディブルフラワーを育て、それを2階のキッチンで調理・加工して商品化。1階にあるパティスリーで販売し、同じく1階にあるカフェでも同ビルで採れたフレッシュな食材を使った料理を提供している。

摘みたてのエディブルフラワーをアクセントにした贅沢なキューブケーキ
3階のLED水耕栽培エリアでは
徹底管理された環境で計画的に野菜を生産している
天候に左右されないため、質・量ともに安定的な生産が可能だ

 マカロンさんにこのビルのプロデュースを依頼したのは、横浜で人材派遣業を営む会社。コロナ禍で人材派遣の需要が減ったため、所有している物件を使って何か新しい挑戦がしたいと考えてのことだ。最初から水耕栽培で野菜や花を育てたいという要望はあったそうだが、加工の2次産業、販売の3次産業も含め、ビル全体を連動させた仕組みにしなければ意味がないとマカロンさんは考えたそうだ。

ビルの3階で採れた新鮮なレッドソレルやフリルレタス、エディブルフラワー
カフェ内で販売もしている

 さらに、調理機能をビル内で販売するものだけに使うのではなく、ポップアップや催事など、外への発信にも活用。そうすることで、人材派遣の需要も創出できるモデルをつくり上げたのだ。

プロデュースという立場ではあるが
店舗で働く人とも積極的にコミュニケーションを図る
真鯛のルッコラバジル ジェノベーゼパスタ
摘みたてのルッコラが爽やかな風味を添えている

「表参道に出店するようなビジネスモデルでは、意味がないんです。地域のアイコンとして機能し、地域を活性化させるモデルが、これからは重要になると思います」

サステナブルな取り組みだからといってクオリティを諦めたりせず、
本物の味を伝えることを大切にしている

 地域の高齢者も採用し、社会とつながる機会を創出したり、小学生の自由研究や一般見学を受け入れたりと、さまざまな人が、さまざまなステージで交流できる場をプロデュースしたマカロンさん。

 次は何をプロデュースしてくれるのか、期待は膨らむばかりだ。

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