できることを前向きに。

できることを前向きに。

  • 2020.08.05
    • 卒業生
Lilou(リル) / オーナー
辻製菓専門学校 1995年卒業 / 辻調グループ フランス校(製菓) 1996年卒業

宮﨑 協子

「神戸北野ホテルでシェフパティシエを務めた後、語学留学と称して一年間フランスへ遊びに行ってたんです」と茶目っ気たっぷりに宮﨑さんは言う。その時、自然派ワインと出合い、その魅力にすっかり取りつかれてしまったそうだ。

 帰国後しばらくして、知人にワインバーをやらないかと誘われ、ソムリエの資格を取得して、現在の店をオープンさせた。自然派ワイン好きのパティシエがワインバーをやるのだから、当然ワインは自然派ワインを厳選。ホテル仕込みの本格的なデザートと一品料理を取り揃えた、他にはない魅力的なバーが完成した。

 数多くのメディアにも取り上げられ、ビルの2階奥という立地ながら確実にファンを増やし、「この後、もう一軒」という人にリルを推す京都の店も増えていった。そうやって何もかもうまく事が運んでいる時に限って、不運というものはやって来る。

 「接待を伴う飲食業」として槍玉にあげられたバーは、緊急事態宣言解除後に営業を再開しても閑古鳥が鳴くばかり。インバウンド需要がなくなった京都の街自体も閑散としていた。
「先斗町という場所柄、社会的地位の高い常連さんも多く、なかなかお客様は戻って来ませんでしたね。それでも、知人とマルシェに参加したり、常連さんとオンライン飲み会をしたり、できることを前向きにやっていきました」と明るく話す宮﨑さん。

 自然派ワイン最大の魅力は、年によって均一的ではない変化や個性を見せてくれる点。宮﨑さんの明るさに触れていると、大きな変化をもたらしたコロナ禍でさえ、ワインと同じように愉しみながら、そのまま乗り越えて行けそうな気がしてくるから不思議だ。

OTHER CATEGORY

TOP PAGE