卒業生の活躍情報掲載日:2014年4月11日

第51回技能五輪全国大会

仲川 和馬
辻調理師専門学校 2009年卒業

技能五輪全国大会 「執念の優勝」

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 平成24年11月22日(金)~11月25日(日)の日程で、第51回技能五輪全国大会が行われ、辻調理師専門学校の卒業生である仲川和馬(なかがわかずま)君が栄冠を手にした。「執念の優勝」と一言でいうのは簡単なことだが、並々ならぬ努力のたまものが、今回の優勝を勝ち取ったといっていい。 前年の大会では、あしらいのとさか海苔を盛り忘れるという、痛恨のミスにより、惜しくも僅差の2位になった。その時の敗因を仲川君は、「ピリピリとした雰囲気にのまれてしまい、あまりの緊張で体が動かなかった」と振り返り、「年齢的にもラストチャンス(日本料理は23才以下)となるので優勝し、どうしてもリベンジを果たしたかった」と語ってくれた。前回の大会後、1年間の猛特訓がスタートした。
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    「左から 仲川さん、鈴木さん」

 課題は3料理。毎年行われている「小鯛活なます姿盛り」、「牛蒡と鴨の小袖焼き・菊花蕪甘酢漬け」、「芋寿司手綱巻き・蓮根甘酢漬け」を、1日1課題練習し、時間がある時には3課題を通して行った。日々の仕事だけでも体力を使う中、毎日の練習はとてもハードであっただろうと、話を聞いて思った。  「丁寧できれいな仕事を心掛け、盛り付けの完成度にこだわった」と話す。「鯛の頭を落とす時にもひと工夫することで、見栄えがかなり違ってくる」、「姿盛りをイメージし、頭を少し持ち上げた状態で落とし、上を向かせる」といった細かな点まで気を配り、盛り付けの精度を上げていった。  インタビューの中、この功績を成し遂げられたのは、本人の努力だけではなかったということを、「感謝」という気持ちで表現してくれた。それは店側の理解に他ならない。仲川君は23才と若く、店での仕事はまだ脇に付く段階で、独り立ちはしていない。魚も一人でおろさせてもらえるほどには至っていないのが現状である。  日本料理「むろ多」のご主人 室田大祐氏が、彼のひたむきな努力に対して、店でのポジションを変更し、日々の魚の下処理やおろすまでを任せ、苦手を克服させるなどのバックアップをしてくださった。また、出場経験のある先輩からは、仕上がりや衛生面などについてのアドバイスをもらった。周りの協力があってのことだと、仲川君自身も感じている。  今後の目標を聞いてみると、「同大会の35才以上の部門で優勝し、誰もが達成していない2冠という偉業を達成したい」と語ってくれた。今回の大会では、同勤務先の鈴木久也(すずきひさや)君も大会で敢闘賞を受賞するという功績を残し、「これに続く後輩の育成にも力を注ぎたい」と語ってくれた。 最後に、辻調グループの後輩に対しては、「解らないことは、恥をかいてでも聞く」、「怒られるのは当然」、「日々お客様に素直な明るい笑顔で応対してほしい」と締めくくった。 文:日本料理 真田 章仁 辻静雄料理教育研究所 重松 麻希

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