京浜急行の青物横丁から、東京の下町風情の残る旧東海道沿いにあるのがビストロ ル・セット。赤いテント屋根が目印のお店は、扉を開けると、落ち着いた雰囲気と大きなカウンターが印象的な店内です。奥にあるワインセラーには、400本以上が常時揃えられ、美味しいお料理とワインを楽しむことができます。
昨年末にオープンし、口コミで徐々に客足も増え、青物横丁界隈では、本格的にワインが楽しめるビストロがまだ少ないこともあって、ワイン好きのお客様や地元の方が足しげく通ってくださっているとか。中には週4日ペースでこられるという常連さんや、大きなカウンターに、一人でふらりと立ち寄られる方もいらっしゃるそうです。オーナー兼ソムリエの星さんは、エコール 辻 東京を卒業後、フランス校に進学し、もともとワイン好きだったのに加えて、フランス在学中の食べ歩きでさらに好きなり、帰国後サービスとして就職。前職の会社で、同じ辻調の卒業生である前川顕シェフと出会い、ルセットを開業することになりました。
ル・セットのメニューは、定番とその時の旬の素材を使ったもので約30種類ほど。ワインを楽しむための定番、シャルキュトリーや、女性のお客様のリクエストにこたえた野菜だけのお皿もあります。野菜は、「築地御厨(みくりや)」から仕入れるというこだわりぶり。季節感を大切にしながら、スパイスやハーブなども使ってアクセントをつける。この日、いただいた鮎のコンフィと西瓜のガスパチョも、味はしっかり、しかしさっぱりとしていて、ワインとの相性も抜群、暑い夏に食欲をそそってくれる一品でした。
ワインは星さん自身が、お客様の好みにあわせて、数あるワインの中からリーズナブルなものも含めていくつか選んでくれます。「旬の素材を丁寧に調理して、その美味しさをワインと一緒に味わっていただきたいと思っています」と星さん。一人でも気軽に立ち寄れて、美味しいワインとお料理をいただける素敵なお店です。(YUKARI)