韓国支部 2024年度在校生交流会 開催報告

  • 2024.07.20
    • 支部活動

2024年7月1日(月)、韓国支部役員と韓国からの留学生との交流会がオンラインで開催されました。支部役員として、Cookie Castle CEO 趙 星兆(チョ・ソンジョ)幹事が参加されました。

趙 星兆 幹事

学生からの将来に関する様々な質問に、趙幹事や事務局が回答した内容について、ご紹介します。
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Q 今学校の授業以外にもやったら良いこと、またはやるべきことは何か

A 希望分野についての多様な経験が必要。その一つがアルバイト。自分は学生時代、堂島ロールで韓国進出の話があり、実習生募集に応募して1年半仕事をすることが出来た。
それから、味の勉強が大事なので食べ歩きもいい 。

Q 将来、お店を開く際に確認することが色々あると思うが、その中でお店の場所選びはどのような基準でするのが良いのか

A 今は起業して10年目、建物を建ててから2年半経つが、その位置を決めるのに3年以上かかったかと思う。 賃貸から始めて事業の性格に合う場所を見つけるのがいい。もちろん人通りが多いなど当たり前の答えもあるが、起業する人の作りたい空間、コンセプトによってその答えは変わってくるのではないか。
起業する若者へのサポート教育がたくさんあるので、それを利用してほしい。

Q 起業教育について知りたい

A 利用できるものは全部受けたと思うくらいたくさん受けた。資金を持っていて起業した訳ではなかったので、ローンのための教育を受けたのが始まり。
機関からの資金貸出しは起業アイテムだけを見るのではなく、成功してもらうためにいろんな教育を受けさせてくれる。 中小企業振興公団や地域ごとの経済振興院、パンパンデロという中小企業・小商工人の支援サイト、教育の内容はAからZまである。税務会計の経理的なことから、マーケティング、法律など全般的な教育がある。

Q 韓国の会社に就職する時に、辻調理専門学校を卒業したことはメリットがあるのか

A まず、うちの会社はメリットありあり(笑)。
競争の激しい企業で、辻を卒業しているのはメリットがあると聞いている。

Q 使用者の立場から辻の卒業生を採用するメリットは?

A 辻の学生は全般的に勉強ができている。自分の場合、国内で勉強することと辻で勉強することの違いが明確に分かっているので、それをメリットだと思っている。 日本で数年間生活していながら直接的、間接的にいろんなことを経験しているので、視野が広いこともメリットだと思う。

Q 卒業後、帰国して開業予定だが、業者の力を借りずして、自力で開業できるものか

A 当然できる。自分も帰国して4か月で起業している。ただ正直に言うと、親の事業があったためできたことだとは思う。すぐ起業するよりは、いろんなことを経験してからの方がいいのではないか。

Q 食材の違いでも大変さがあったかと思うが、どうだったか

A 卒業して現場経験なくすぐ起業をして、すべての設備と材料が違ってたくさんのテストを行った。韓国内の材料を勉強するにも時間がかかった。
結局は経験しないといけないものかなと思うが、やっていたら自分の色や自分らしさが出来てくる。

Q 食材の違いの把握にはどれくらいかかったか

A 先週も日本から先生をお招きして意見を聞いたところ。やってもやってもきりがない。一つの製品が完成するまで6、7か月、それが軌道に乗るまでには3年くらいかかる。 最初から完璧で始められることではないが、ある程度基盤を作って、開発しながらお店を出すこともいい。その程度、というのがどの程度なのか見極めることが大事。

Q 軍隊についてどう思うか

A 周りを見ると、仕事を少ししてから兵役に行くのがいいのではないか。会社に若い男性が入社してきたが、これからも兵役環境は良くなる一方なので、キャリアを積んでから行きたい、という話を聞いた。

Q 韓国の製菓トレンドは?

A 日本にたまに行っているが、日本は変わらない、トレンドがない、という日本人も多い。だが、実際にはそうでもないと思う。韓国に導入するタイミングで自分のものにして導入する。コンシューマーのニーズに合わせた製品を開発すること、そしてそれにあうマーケティングが大切。
(事務局補足:トレンドをリードし、新しいものを提案するチョさんの立場からの、トレンドの取り入れ方について回答いただきました)

Q レシピのアイデアはどこから?

A 日本のメニューを参考にして自分の物にアレンジする。インスタを参考。
韓国の食材で日本の味に追いつくことは難しいが、カフェメニューや体験プログラム、パッケージデザイン、インテリアの方は日本のインスタグラムを参考している。

※また、日本での就職も視野に入れた質問も多く見られました※

Q 卒業後日本で就職したいが、その話を聞いたことがあるか

A 自分の時は日本での就職が出来なかったが、日本で就職ができるようになったと聞いたことはある。 知り合いで、東京のベーカリーに就職した人も居ると聞いている。

(事務局)
2019年から就職が可能になった。学校を卒業して特定技能ビザ1号を取ると、最長5年間日本で働ける。今はまた法律が変わり、特定技能ビザ2号を取得するとほぼ永久的に日本で働ける。
日本で働くにはまず、在学中に調理や製菓の技能測定試験を受けて合格する必要がある。辻調の在学生であれば心配なく受かることが出来る。就職先が決まったら、就職先と学生本人、登録支援機関、この三者間で書類を作って入管にビザ申請を行う。
ビザ申請のハードルはそれほど高くないが、むしろ就職先を探す方が難しい。自分の行きたい事業所があるかどうか、国籍に関係なく企業側が採用の意思があるかどうか、というマッチングの方が難しいと感じている。

Q 2年次の専攻を決める際に日本と関係のあるジャンルの方が就職に有利になるか

A (事務局)
就職したい分野のジャンルを選ぶのが一般的ではないか。無理に日本料理を選ぶ必要はないが、日本料理の料理人は圧倒的に足りない状況が続いている。この業界は人手不足なので、どのジャンルを選んでも就職は難しくない。ただ、円安の状況なので、給料面では物足りないかもしれない。

Q 特定技能2号について

A (事務局)
特定技能1号の勤務先でリーダー的な役割を果たせるようになり、会社から推薦がもらえると、2号の試験を受けられることになる。ただ、まだ定着していないため、今後見直しが行われる可能性もある。まずは、今の1号の立場で熱心に働くことが先決。
2号になるための試験は現状、年に2回程度。試験の内容は衛生とマネジメントが中心。ペーパーテストのみ。

Q 特定技能1号の取得のための在学中のタイムフローが知りたい

A (事務局)
遅くとも年明けにはビザ申請に至らないと、4月から就職できない。逆算すると、夏までには技能測定試験に受かる必要があり、その後就職先の内定が秋まで、それから年明けにはビザ申請のできるように書類準備をする。
詳しくは、OTAFF(一般社団法人外国人食品産業技能評価機構)のウェブサイトを確認すること。 試験内容やスケジュールも見ることができる。
(OTAFFのウェブサイトURL: https://otaff1.jp/
また、留学生担当から案内があると思うので、見逃さないように確認すること。

Q 就職の面で、日本の企業と韓国の企業の人材を選ぶ基準の違い

A (事務局)
日本ではやはりコミュニケーション能力。仕事の指示の理解、自分の考えを正しく述べることが出来ること。また、それ以前に自分のことをききちんと会社に伝える能力が要求される。

韓国の方も大きな違いはない。話す態度、マナー、人格が大事。やる気と情熱、勉強したいという姿勢。せめて2~3年は仕事をしてほしい。

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このように、意欲的な質問が飛び交う交流会となりました。
例年2月ごろに実施している当交流会ですが、より在校生の就職活動の参考となるように、今年度は7月に開催いたしました。

今後も積極的に、卒業生と在校生が交流を持てる場を設けていきたいと思います。

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