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![]() 時がたつのは早いものです。私の父、辻静雄前校長が親友のポール・ボキューズ氏から、求める条件にぴったりのシャトーが見つかったという趣旨の最初の電話を受けた時、私はと言えばまだ15歳でした。 しかし、案の定、ボキューズ氏の台詞ほどには完全無欠なシャトーではなかったようです。電気も、ガスも、もちろん学生が寄宿するためのベッドもない、ただの幽霊屋敷で、無数の化粧直しや改装が必要だっ たのです。ちょうど、ハリウッドの俳優たちの顔のように(笑)。 歴史は、たいていとてもシンプルな理由で始まります。 教育の世界に終着点はない、と父が常々口にしておりました。学生たちに、本物のフランス料理、その発祥の地の真正なフランス料理を学ばせることが、父の心からの願いでした。教えてくださるのは、フランスで活躍中の素晴らしい料理人たち、つまりご来席の皆さまです。そして使う材料はフランス産の新鮮な食材ばかり。 学生たちが、フランスのテロワールに囲まれながらフランス料理を学ぶ。こんなことをまともに実現しようなど、日本ではとても考えられないような時代でした。 フランス校は、本場でフランス料理を学ぶことを夢見る日本人にとって導きの光であり、日本の飲食業界にも同じように啓蒙をもたらしたのでした。 この学校を実現するためにあらゆる局面で私たちを支えてくださったのが、皆さまなのです。 日本の非常に有名な料理評論家にこんな発言がありました。「フランス料理についてフランスからはもう充分すぎるくらいの知識を手に入れた。これだけ勉強したのだから、今度は我々自身の日本式のフランス料理をうちたてねばならない…」 私たち辻調グループ校とはまったくかけ離れた考え方です。私たちは、皆さまや皆さまの国から、将来にわたってずっと学びつづけるつもりなのですから。 つい最近、ある学校職員がこう言いました。「こうして長い間シャトーで学校を続けてきたなんて、奇跡みたいですね」。職員の言葉としては少々無責任でした。我々がここまでやってこられた理由は、学校職員や学生たちに対する、皆さまの20年間にわたるご親切とご協力に尽きると思います。これまでのご恩を忘れることは決してありません。そして、この次の20年もやはり皆さまのお世話になることと思います。 日本では90000名の学生が学校を巣立ち、そのうち3000名が皆さまの指導を受けてフランス校を卒業しました。彼らの多くが、料理長やオーナーシェフとして活躍中です。 学生たちは感謝の気持ちを十分に言葉に表していないかもしれませんが、皆さまが寛い心でほんとうに忍耐強く自分たちを受け入れてくださることに、いつも感謝しているはずです。 (中略) 最後になって恐縮ですが、ポール・ボ キューズさんに感謝を捧げたい。この20年という歳月は、彼の協力と友情なしにはありえませんでした。この「ラベイ」で彼とともに、そして皆さまとともに20周年の喜びを分かち合うことができて、ほんとうに幸せです。 ほんとうに、ありがとうございました。 |
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