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午後はいよいよメインイベントのワークショップの開始です。フランス校の実習室を最大限に用いて日本側料理人8名(高橋拓児氏『木乃婦』、中東久人氏『美山荘』寺田慎太郎『杢兵衛』、園部晋吉『平八茶屋』、中村元計『なかむら』、高橋義弘『瓢亭』、佐竹洋治『竹茂楼』、田村圭吾『萬重』)フランス側料理人10名(M.Nicola
POURCHERESSE『Auberge de Chavannes』、M. Jean-Marie BAUDIC『Aux Pesked』、Frederic
COURSOL『La Radio』、M.Alexandre GAUTHIER『La Gournouillere』、M.David
ZUDDAS『Auberge de la Cahrme』、M.Fabrice BIASOLO『Une Auberge en Gascogne』、M.Lionel
LEVY『Tableau Sud』、M.Thirry Marx『Chateau Cordeillan Bages』、M.Jacques
DECORET『Jacques Decoret』、M.Gilles CHOUKROUM『Le Caf・des Delices』)、そして、ファシリテーターと呼ばれる仕切り役2名(村田吉宏氏『菊乃井』、栗栖正博『たん熊』)が割り当てられ、それぞれの料理人が同素材を用いて料理を作成していきます。
今回のWSに用いる素材はテュルボ(フランス産ヒラメ)。まず、日本側がアプローチを開始します。フランス産の魚は日本の魚のように「活け締め」の処理がされていません。そこで彼らはまず生きたヒラメを活け締めする作業を披露し、切り身におろし・昆布締め・を作りあげていきます。目を皿のようにしてジッと見つめるフランス人シェフたち。可能な限り未知の調理スキルとその目的を学ぼうとする集中力が伝わってきます。
続いて各料理人がヒラメをそれぞれのアプローチで料理し、その手順、なぜこの調理法を用いるかなどを説明し、日本側の料理作成は終了しました。フランス産のヒラメに関して京都の料理人たちがもっとも気にしたのは「魚臭さ」と表現されるその特有の匂いでした。その結果、この匂いを消すこと、そして、しっかりした食感を確保することを考え抜いた上での料理が披露されたのです。各料理を試食したフランス側料理人の感想は「おいしい。でもヨード臭が少ない」というものでした。この匂いこそが日仏の味覚の大きな相違となっていきます。持ち時間の2時間をぴったり守った日本側アクティビティが終了。
次はフランス側アクティビティの開始です。前日より仕込みをしっかりと行っていた京都の料理人とは反対にフランスのシェフたちはまず仕込みにとりかかりました。これで間に合うのだろうか?との周囲の焦りをものともせず、お互い適度に冗談をたたきながら、随時投げかけられる日本側料理人たちの質問にしっかりと答えながら、悠々(そう見えたのですが、実は焦っていたのかも知れません)と、けれど手だけはものすごいスピードで動かしながら仕込みを続けていくフランス人シェフたち。アクティビティの終了時間まで1時間を切ろうとした時、「さあ、料理にかかるぞ」という一声でそれぞれが自分の料理を組み立て始めます。やはり日本側料理人たちと同様それぞれが個性的な発想の料理が作成されていきました。フランスのシェフたちが共通して求めたのは日本人側が消そうとしたフランス産ヒラメの特有の匂いの強調でした。彼らはそれをこう表現しました。「ヨード臭を強調したかった」と。ところが試食後、日本側料理人は「魚臭さはない」と感想を述べたのです。ヨード臭=魚臭さではない?「魚臭さ」を消すことを考え抜いた日本料理に感じられなかった「ヨード臭」、この「ヨード臭」を強調したフランス料理に感じられなかった「魚臭さ」。摩訶不思議なことになりました。このことは終了後の意見交換会でも中心的な話題のひとつとなります。 |
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