海外研修旅行として選ばれたのは世界の中心都市ニューヨーク。世界経済を左右するウォール街やタイムズスクウェア、五番街などの繁華街はその中のマンハッタン島にある。東西約4km、南北約20Kmのこの地区は一枚の岩盤からなり天空をつく摩天楼がそびえ立つ。
今回の目的はやはり食べ歩き。訪れる3つのレストランは、アメリカで一番影響があるガイドブック「ザガット・サーベイ」で30点中29点という最高点を獲得したディヴィット・ブーレイ氏がオーナーを務めるレストラン「ブーレイ」とブーレイ氏と辻調グループが共同経営する「ブラッシュストローク」、そしてアメリカといえばステーキ!ボリューム満点の「ベンジャミンハウス」である。
9月27日(木)
関西空港から直行便でニューヨークへ
9月28日(金)
朝から、ニューヨーク市内観光へ出発。
マンハッタンの見どころがたっぷりと詰まった1日観光でニューヨークのシンボルでもある「自由の女神」や「セントラルパーク」などの名所を巡りました。
夕食は、今回のメインでもあるレストランへの食べ歩き。28日・29日と二班にに分かれて、「ブラッシュストローク」と「ブーレイ」を交互に訪問しました。
■ Brushstroke
<ブラッシュストローク>
30 Hudson Street New York City 10013
かねてより、辻芳樹校長と親交のあったディヴィット・ブーレイ氏から日本料理を本格的に学びたいと言う依頼を受けたことが、日本料理研究室の教授陣とブーレイ氏との交流の始まり、ニューヨークを代表するトップシェフとの交流は調理技術を中心に互いに「日本料理を教え・学ぶ」に発展。
12年にわたるブーレイ氏と辻芳樹校長、日本料理教授陣との交流と研究の成果が「レストラン」と言う形になり、辻調グループとブーレイ氏による共同プロジェクトによる日本料理店として2011年4月ニューヨークに「ブラッシュストローク」がスタート。
同年10月には早くもミシュラン一つ星を獲得。
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炊き合わせ |
茶碗蒸し |
造り |
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ソーメンを使った1品 |
ノドグロの低温焼 |
鴨の番茶煮 |
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ライチのソルべ |
オレゴン産ビーフ |
炊き込みご飯 |
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豆乳ブランマンジェ |
オブラートの干菓子 |
醤油アイスと味醂アイス |
【ドリンク】
食前酒 スペイン・スパークリングワイン
CAVA2009 Raventós ì blanc de Nit
@SAKECOCKTAIL
生酒小鼓に南部美人2004(All Koji、全麹純米仕込み)を9:1で合わせる
イメージはドライマティーニ
A日本・石川
手取川 吟 山廃仕込み
B白ワイン フランス・ロワール地方
Domaine de la taille auxx loups2011
Montlouis sur loire, Les dix aprents
C赤ワイン オーストリア・ナーヘ
Leo Hillinger, Blaufrankisch
世界で日本料理への関心が日増しに大きくなっているとはいえ、海外において日本人が安心できる本格派レストランはなかった。
「ブラッシュストローク」はこのブーレイ氏が長年の夢を果たしたスタイリッシュな日本料理レストランである。内装には前面に木材を配し、和紙の温かみのある光に満ちた場所に辿りついたのは夜7時。この段階ですでに満員。我々以外の席はすでに埋まっていた。
皆、和食器に箸、傍らにはSAKEを置き、なんと器を持って食べている人もいる。西洋では器を持って食べるのはマナー違反。日本文化は確実に世界に浸透していると実感できた。ここに存在している人種の比率さえ違わなければ、ニューヨークと誰が気付くだろうか。
しかし料理は単なる和食ではない。「人種の坩堝」と称されるこの地において全てに合わせる食味は難しいが、こちらで提供される料理はただ薄味のそれではない。計算しつくされた調理技術と味付けは料理長山田氏と大阪から派遣された辻調グループ日本料理村島、成田のコンビネーションから成る。
シグネチャーディッシュ「アラスカ産のカニと黒トリュフの茶わん蒸し風」を始め、「ノドグロの低温焼き、クレソンのピューレ添え」など唸る品々が出て、目白押しの一夜となった。この日も時間は刻々とすぎ、気がつけばすでに翌日となっていたが意気揚々と話が尽きず、仕方なく店を後にするほどだった。
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