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大森由紀子氏&西原金蔵氏トークショー
 
さる11月5日(木)17時から、エコール辻大阪において、コンピトゥム主催による「大森由紀子氏&西原金蔵氏トークショー」が開催されました。
今回は気心の知れたお二人、ということで、特にテーマを決めずにフリートークという形で進められました。
話はまず、それぞれの「お菓子」との出会いから始まりました。
 
大森由紀子氏〜お菓子との馴れ初め〜
大森由紀子氏
大森氏は、高校生の頃に手にした、辻静雄(辻調クループ創設者)の本がすべての始まりだそうです。情報のない時代、「ピラミッド」の(ガトー・)マルジョレーヌなど、フランスにはこんなにおいしそうなものがあるんだなぁと憧れたとのこと。
その後もフランスへの興味は消えることなく、大学も仏文科に進学、就職もなんとかフランスに行ける職をと考え、パリ国立銀行日本支店に勤務。その時のつてでパリ行きを決行し、ル・コルドン・ブルーを卒業されました。
帰国後は友人の紹介で、飲食関係の雑誌に書く仕事を得、また読者からの問い合わせがきっかけで、フランス料理とお菓子の教室を始められました。
本格的にお菓子に関わる仕事を始めたのは32歳からですが、いろいろと回り道をしたことが今はとても役に立っていますと、なんでもやりたいことはやってみたら良いとの、若い世代へのメッセージがありました。
 
西原金蔵氏〜お菓子との馴れ初め〜
大森由紀子氏

西原氏は岡山郊外の兼業農家の生まれ。、ケーキといえばバタークリームにアラザンが飾られた、年に1度のクリスマスケーキがご馳走だった時代です。
もともと人と接することが好きで、ホテルのボーイとして勤務の後、作ることを学びたくて辻調理師専門学校に入学、その後憧れていたお菓子づくりの世界へ入られました。
一番の転機はフランスでのアラン・シャペル氏との出会い。「料理とはルセットを超えるものである!」という料理哲学を教えられたそうです。
シャペル氏の「カッセ・ラ・テット・キンゾー!(頭をやわらかく)」という言葉が耳に残っていますと、西原氏の、キュイジニエ(料理人)
的なアドリブ、固定観念にとらわれない発想の原点が明かされました。

 
また、お二人からは共通したアドバイスがありました。
大森氏はご自身が運営に携わっていらっしゃる「スイー甲子園」(全国高校生スイーツ選手権大会)の男子高校生のチームが、味見をしながらケーキを作っていたのを見ていて感じられたこと、西原氏は、シャペル氏について世界中の味を体験したことからだそうです。
それは、
「今の人たちは味見をしなさすぎ」
「なんでも食べてみるべき」
「素材を知らなければ、求める味は作れない」

ということ。
おいしいかどうかの最終的な判断は自分で下すにしても、その料理なりお菓子なりの背景を学び、人の意見をよく聞くことによって、味覚の幅を広げることが大切、という発言もありました。

また西原氏からは、若い頃にミラノで、生まれて初めて白トリュフ(高級食材のきのこ)を食べた時、始めはその味(おいしさ)が理解できなかったのが、口の中で味を探っ て自分の知っている様々な味や香りにイメージを置き換えながら理解して行くこ とで、おいしさがわかるようになった、というエピソードが、そして大森氏からは、あらゆるものは聞くと見るとは全く違うということ、またアルザスで無造作に積み上げられたクグロフを見て、フランス人のナチュラルなエスプリに触れた、と言ったエピソードも披露されました。


この後は、参加者との質疑応答になりました。

 
将来お店を開きたいが、家族の時間との両立ができますか?
製菓学校の学生(女)
大森氏
大森氏:
仕事をするとき女性のほうが背負うものが多いので、難しいところはあると思います。自分も教室をするとき娘さんをご両親に預けていましたし、家族の協力が必要です。


最近パティシエール(女性のパティシエ)の比率が高くなってますがどうですか?との質問もありましたが、大森氏の生徒さんのなかに、彼氏に「仕事を辞めていっしょにお菓子屋をしてください」とプロポーズされた女性がいらっしゃるそうで、女性にとっては希望の持てるエピソードでした。
 
「グルニエ・ドール」のショーウインドウが、ほかのお店と違って、お菓子と素材をいっしょにディスプレイされているのはなぜですか?
製菓学校の学生(女)
西原氏
西原氏:
最初お店をするとき、奥さんと二人だけでやっていくつもりだったこともあり、作れる量が少なかったので空間を埋めるために、また市場が近いので新鮮な雰囲気を出すのにフレッシュフルーツを置いたのが始まりで、それが「グルニエ・ドール」のスタイルになりました。
いつもディスプレイを考えるとき、お菓子屋に限らず、ウィンドウショッピングをよくされるそうで、食べ物以外の飾りや内装にも興味があるそうです。

大森氏からの、ピエスモンテを考案したアントナン・カレームも建築学を学んだそうですよ、のお話に、西原氏から実は大工さんにもなりたかったんですという思い出話も披露されました。
 
「グルニエ・ドール」が閉店するって聞いたんですが?
製菓学校の学生(男)
西原氏
これについては衝撃発言が!! 
西原氏:

「お店をオープンするときに閉店日を決めたんです」 
そして「ジョエル・ロビッション氏が50歳で引退宣言されたときに、自分は65歳で終わりにしようと決めたんです。終わる日が決まってることで、日々100%で走れるんです」とのこと。
また、代々引き継いでいくものもあるかもしれないけれど、息子にそのまま渡すのではなくて、自分なりのリスクを背負って一から始めてほしいという、この日聴講に来られていた息子さんへのメッセージもありました。
その後のことはまだ何も考えておらず、自由な日を楽しみに待ってるような感じです、とのこと。
また、手広くお店を広げていくような経営的なことよりも、お菓子の技術や思いを伝えたくて教室もしているんです、ということでした。
 
お菓子作りでうれしかったことは?
製菓学校の学生(男)
大森氏
大森氏:
初めてのフランスでル・コルドン・ブルーのシェフに嫌われているとばかり思っていたのに、最終試験の日がちょうど誕生日で、お菓子をほめられたばかりか、シェフがシャンパンでお祝いしてくれたこと。

西原氏

西原氏:
アルパジョンのコンクール(フランスで開催される洋菓子のフランス三大コンクールの一つ「ガストロノミック・アルパジョン」)で苦労して銅賞が取れた達成感。
できないかも・・・と思わないで、毎日念じていれば、何かのきっかけで乗り越えられると確信しました。
 
大変だったことは?
20年前の製菓卒業生でケーキ教室を主宰されている女性
大森氏
大森氏:
教室を始められてほぼ20年ですが、最初の頃、狭いアパートですべてひとりでこなすのが大変でした。
最初からずっと続けて教室も来られている人がいらっしゃるので、自分も日々勉強して、新しいことに挑戦しないと、と自分のモチベーションも維持しつつ、変化もつけながら続けています。

西原氏

西原氏:
教室を始めるとメニューを考えるのが大変ですが、生徒さんから学ぶことも多く、常にスキルアップを心がけています。
 
 
このトークショーで、最初から最後までよく出てきたキーワードが「すべてに完璧を目指さない」でした。熱のこもった前向きなお話とは矛盾するようですが、あまり熱心になりすぎて周りが見えなくなってはいけないということ、また少し距離を置いてみて、回り道をしてみるのも、若いときには必要ですよ、ということでした。

最後に若い世代に元気が出るひとことを・・・
 
 
トークショーが終わっても、お二人の周りには、サインや写真を求める人垣ができていました。
 
 
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