フランスには日本では見かけないりんごが売られています。ジャガイモのような色をした、火を通さず食べるとまるで土を食べているような<カナダ・グリ>、ピンク色がきれいな<ピンクレディー>、実がしまっていて酸味が適度にある私の大好きな<グラニースミス>など。不思議なことですが、カナダ・グリでタルト・タタンを作ると、うっすらピンク色になるのです。それが楽しくて最近日本でもおなじみのタルト・タタンやショーソン・オ・ポムを飽きるぐらい作った時期もありました。町の中を歩いていても、電車に乗っていてもフランスの女性はよくりんごをかじっています。何だかそんな格好にあこがれて、そんなことも真似してみたなぁ・・・手がベタベタだったけど!
<カナダ・グリ>
<グラニースミス>
<ショーソン・オ・ポム>
フランスで有名なりんごの産地といえば、北西部のノルマンディー地方です。りんごを使ったお菓子もよく作られ、食べられていて、お菓子の名前に「ノルマンド」とつくと、りんごを使ったものを指すほど。たとえばタルト・ノルマンドといえば、ノルマンディーのタルトという意味で、りんごのタルトのことなのです。
また、ノルマンディー地方は酪農も盛んで、バターや生クリームなど乳製品も豊富で品質が高いことで知られています。ノルマンディー産のおいしいバターを使ったガレット(リッチでもろいクッキー)も有名ですね。
そしてノルマンディー地方と、そのお隣のブルターニュ地方は、気候的にワインの栽培に適しません。その代わりに作られるのがりんごから作られるシードル(発泡酒)、そしてカルヴァドス(りんごのブランデー)です。こうしたお酒も、いろんなお菓子に使われています。
<ガレットとりんごを組み合わせたガレット・ノルマンド>
<シードル>
フランスで、食後のデザートによく登場するのがパイ生地と果物を組み合わせたタルトですが、中でも、りんごはよく使われる果物です。りんごのタルトはデザートの定番中の定番。私もお菓子屋さんでつい、頼んでしまいます。そんなパイ菓子を日本の家庭でも、もっと気楽に作って楽しんで欲しいと思います。
<私の“提案”>
■提案すること■
家庭でも手軽にパイ菓子を作って欲しい
。
■そのために■
本来、折り込みパイ生地は折っては休ませ、を繰り返すので、とても時間がかかり、しかも周りが散らかり粉だらけ・・・もっと気楽に、手作りのおいしいデザートを!!ということで、冷凍パイシートの利用を提案します。今回ご紹介するタルト・オ・ポムは、冷凍パイシートを使うと、組み立てるだけなら10分あればOKというお菓子です。型も麺棒も必要ありません。クレーム・ダマンド(アーモンドクリーム)を仕込んでおけば、あとはお惣菜を作る感覚でのせて焼くだけ。簡単にできるので、ぜひ作ってくださいね。
タルト・オ・ポムの材料 18cm×18cm 1台
市販の冷凍パイシート
クレーム・ダマンド(必要量50g)
バター(食塩不使用のもの)
粉砂糖
アーモンドパウダー
卵
りんご
バター
グラニュー糖
バニラアイスクリーム
1枚(150g)
50g
50g
50g
50g
2個
適量
適量
適量
■作り方
クレーム・ダマンドをつくる
1.
バターを室温に戻し、ふるった粉砂糖を加えて泡立て器ですり合わせる。
2.
湯煎で人肌まで温めた卵を少しずつ加える。
3.
アーモンドパウダーを加えて混ぜる。
4.
扱いやすい固さになるまで冷蔵庫に入れておく。
5.
50g計量し、残りは冷凍保存も可。
タルト・オ・ポムをつくる
(1)
冷凍パイシート(解凍不要)をプレートに乗せ、生地が少し固いうちにフォークなどで穴をあける。
(2)
穴をあけた生地の上に、クレーム・ダマンドを50gのせ、縁を少しあけて塗り広げる。
(3)
皮をむき、芯をとったりんごを3〜4mm厚さにスライスし、クレーム・ダマンドの上に並べる(端の形の悪いものは下に敷く)。
(4)
りんごの味をみて小さく切ったバター、砂糖を適量のせる(バターは溶かしたものを塗ってもよい)。
(5)
190〜200℃に温めておいたオーブンに入れる。焼いている間にりんごが乾いてきたら溶かしバターを塗る(固まりのバターをのせてもよい)。
(6)
50〜60分かけて焼き上げる。
(7)
温かいうちにバニラのアイスクリームをのせて召し上がれ!!
りんごの他にも、缶詰めの洋梨や生のアプリコットを並べてから焼いても、フランスのお菓
子屋さんで売られているような素敵なお菓子ができ上がります。いちごがおいしい季節になったら、今回ご紹介するタルト・オ・ポムとまったく同じ材料でタルトの土台(市販のパイシート+クレーム・ダマンド)を作り、焼き上げたものにいちごを並べれば、タルト・オ・フレーズ(いちごのタルト)ができあがり、クレーム・ダマンドの中に栗を詰めればタルト・オ・マロン・・・。あぁ、想像しただけでわくわくしちゃいます。さぁ、あまり難しく考えずにチャレンジ、チャレンジ。
■コック・オ・ヴァン 西洋料理教授 斉藤直樹
■川味覇王蟹 中国料理教授 西浜 康之
■Pandoro パンドーロ 製パン助教授 宮崎 裕行
■りんごのタルト 製菓助教授 瀬戸山 知恵美
■ちらし寿司 日本料理助教授 石田充
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なんですか?「提案編」
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