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もともとは老いて身が硬くなった雄鶏を地産のテーブル・ワイン(大半は赤ワイン、地方によっては白ワインを用いることも)で柔らかくなるまでじっくりと煮込んだフランスの代表的な家庭料理“コック・オ・ヴァン”。骨つきのままぶつ切りにされた大ぶりの鶏肉に、煮詰まった濃い赤色のソース。見た目は決して美しく洗練されたものではありませんが、いかにも伝統的なフランスの家庭料理らしい素朴で奥深い味わいは、私の記憶に今もなお強く刻まれています。
昨今、フランスの家庭の食卓からも姿を消しつつある“コック・オ・ヴァン”を私なりに考え直し、現代風にアレンジしてみます。
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<コック・オ・ヴァン:私の“提案”>
■提案すること■
伝統的なレシピでは出せない上品さと軽い仕上がり
■そのために■
胸肉、もも肉の火通しにこだわりました。胸肉は真空調理で柔らかく、もも肉はじっくり煮込んで、それぞれの部位を最高の状態で仕上げることに重点を置きました。
また、付け合わせのじゃがいものピューレには軽い燻製の風味をつけ、鶏肉との相性をさらによくしました。小玉ねぎのグラッセは、白ワインとレモン汁で火を通して酸味を加え、さらに食感も楽しんでもらえるよう、仕上げにあめをコーティングして仕上げてみました。
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野菜をしんなりするまで
いためる。 |
いためた野菜に
赤ワインを加える。 |
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胸肉を真空パックにする。 |
真空状態で火を通す。 |
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火を通した胸肉。 |
皮はカリカリに焼く。 |
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もも肉を焼く。 |
皮をこんがり焼いたもも肉
(だし汁を入れる前の状態)。 |
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ソースの仕上げに
煮詰めたワインを加える。 |
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■作り方
1. 鶏を骨付きの4つ落としにする。
2. 玉ねぎ、にんじん、セロリは薄切り、にんにくは軽くたたきつぶす。
3. 鍋にサラダ油を熱し、2の野菜をしんなりするまでいためる。
4. 赤ワイン500ml、タイム、エストラゴンを加えて沸騰させ、1/3量になるまで煮詰め、冷ます。
5. 赤ワイン400mlは50mlまで煮詰める。
6. 胸肉の皮をはいで塩、こしょうし、4と一緒に真空パック専用の袋に入れ、真空にする。
7. 80℃の湯に6を入れ、約25分火を通す(中心温度が62℃〜68℃になるまで)。
8. 火が通ったら、胸肉を取り出して保温しておく。煮汁は漉して取っておく。
9. 6の皮に塩、こしょうし、フライパンに入れて弱火にかけ、かりかりになるまでゆっくり火を通す。
10. 鍋にバターを熱し、塩、こしょうしたもも肉を皮を下にして入れ、しっかり焼き色をつける。反対側も焼き色をつけ、コニャックでフランベする。
11. 8の煮汁とフォン・ド・ヴォライユを加え、あくを取りながらゆっくりと火を通す。
12. もも肉に火が通ったら取り出し、煮汁を150mlまで煮詰める。
13. シノワで漉し、5を加えて味を調え、バターでモンテする。
14. 胸肉は骨をすべてはずし、薄切りにする。もも肉は関節で半分に切り、マンショネする。
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水あめ、砂糖、水で
あめをつくる。 |
小玉ねぎにアメをつける。 |
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網につるし、
余分なあめは切る。 |
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付け合わせを作る。
1. ベーコンは5mm幅に切り、バターで炒める。
2. シャンピニョンはみじん切りにしてバターで炒める。水分がなくなったらエシャロットのみじん切りを加えて軽く炒め、生クリームを少量加え、塩、こしょうで味を調える。
3. 小玉ねぎは、白ワイン、レモン汁、塩、こしょうと一緒に鍋に入れ、紙蓋をし、柔らかくなるまで火を通す。柔らかくなったら取り出し、汁気をよく切る。水あめ、砂糖、水を合わせて火にかけ、160℃まで煮詰め、鍋ごと水に浸けてあら熱を取る。小玉ねぎをひとつずつこの鍋に入れ、あめでコーティングし、乾かす。
4. 食パンは長さ10cm、幅2cmに切り、サラマンドルで焼く。
5. じゃがいもは皮をむいて適当な大きさに切り、塩少量を加えた水に入れて火にかけ、柔らかくなるまでゆでる。フライパンに燻製用チップを入れて熱し、その上に網をおいてじゃがいもをのせ、ボウルをかぶせて燻製の香りをつける。熱いうちに裏ごしして鍋に戻し、バター、牛乳、生クリームを加えて味を調える。
盛り付け
1. 皿に、燻製風味のじゃがいものピューレをスプーンですくって盛りつけ、かりかりに焼いた鶏の皮をさす。
2. もも肉、胸肉をバランスよく盛り付け、ソースを流す。
3. 小玉ねぎのグラッセ、シャンピニョンのデュクセルをのせた食パンを添え、仕上げにセルフィーユを飾る。 |
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