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国内至るところに掲げられる
国王陛下の肖像画。
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民衆もこの日は、
黄色の服を着る人が多い。
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この日ばかりは、外人旅行客を
目にすることはない・・・
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派手に装飾された
王宮周辺の道路。肖像は王妃。
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王宮横の広場では、
なぜかコントや踊り、
ライブが繰り広げられる。
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タイでは毎朝8:00と毎夕刻18:00の1日2回、特別な時間が訪れる。
全てのテレビ・ラジオ各局を始め、駅、公園、デパート等の公的な場所でタイ国歌が同時に流れる。国歌が流れ始めたら、例え外国人であっても国歌が終わるまでその場に立ち止まり、直立不動で国歌を聴かなければならない。ちなみに、タイの映画館では、上映前に必ずタイ国王賛歌が流れ、やはり直立不動で聴かなければならない。タイ国歌や国王賛歌は<タイ国、そして国王を愛し、敬い、その為にはわが身をも捧げる>という内容の歌である。例えば、タイ人が暮らす家には、“ほとんど”と言っていいほど、国王陛下の写真や肖像が掲げられている。また、去る12月5日は現国王プーミポン・ラマ9世の御生誕日であったのだが、この日が近づくにつれて、バンコクのみならず国内の至る所に国王陛下の肖像が掲げられ、タイ全土が祝賀ムード一色に包まれる。御生誕日には、バンコク市内にある王宮周辺にタイ全土から人が押し寄せ、たいへんな賑わいを見せてくれる。それほど、タイ国王は国民に敬愛され絶対的な存在として君臨し続けているのである。
しかし、このお祝いムードが12月5日を過ぎても終らないところが、“タイ人らしさ”(=マイペンライ)である。6日以降は、国王陛下の肖像の隣に“新年おめでとう!!”(基本的には旧正月を祝うのが慣例なのだが…)の他に、“メリークリスマス”の看板や札をよく見かける。ほとんどのタイ国民は敬虔な仏教徒なのであるが、バンコク市内においては日本と同様にキリスト教の行事であるクリスマスを祝う市民が増え、今では完全な習慣となってしまっている。とにかく、お祝い事が大好きなタイ人にとっては、どのようなかたちでもお祝い事が増えるのであれば、マイペンライなのであろう。
しかも、タイ人がお祝い事をするときは、徹底して派手である。バンコク市内の中心部には、巨大で煌びやかなクリスマスツリーを設置するだけではなく、“クリスマス
& 新年おめでとう!!”の貼り紙を金色にしたり、建物にはド派手な電飾を施すなど、「ここは本当に仏教国なのか?」と戸惑ってしまうほどである。
ことお祝い事になると、タイ人のマイペンライ精神はさらに加速する。“メリークリスマス
& ハッピーニューイヤー”という各種装飾物は、毎年3月〜4月頃まで街中でよく目にする。極端なところでは、一年中“メリークリスマス&ハッピーニューイヤー”という垂れ幕をさげている飲食店もある。「何で3月を過ぎても平気で飾っているの?」と一度タイ人に疑問をぶつけたことがあるのだが、「お祝い事でしょ。マイペンライ!」とだけ返って来た。確かにマイペンライなのだが…。
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