|
|
|
|
|
屋台の新タイ料理。サラダ用マカロニのケチャップ炒め。
|
|
建設中のサイアム
パラゴン。(撮影日2005年10月14日)
|
|
|
タイの首都バンコク。
仏教王国の中心都市として永く栄えてきたこの街も、昨今ではインターナショナリズムの波に乗り、異国文化が入り混じり、多国籍な人々で賑わっている。日本や中国を始めとするアジア諸国民だけに留まらず、欧米人、中東アラブ人、アフリカ人とバンコクは今やあらゆる人種、民族のるつぼと化した街だと言える。街の中心部には中華街、インド人街、韓国人街、アラブ人街、日本人街、そして欧米人街といった、それぞれが特徴、雰囲気のあるコミュニティーが形成されている。こうしたコミュニティーに行けば、当然の如くそれぞれの国・地方の伝統的な料理が味わえる。そう、美食の都市バンコクは、世界各国の料理を食べるに事欠かないのである。
人一倍食べることに関心の強いタイ人は、当然異国の料理にも興味津々である。とりわけタイの富裕層は、イタリア料理や日本料理、中国料理といった異国の料理を好んで食べる傾向が強い。多くの富裕層は「タイ料理」は
“ダサく”、異国の料理は“カッコイイ”と考える傾向にあるからである。このような人々が積極的に“カッコイイ”外国料理店へ足を運ぶことで、バンコクのレストラン事情は驚くべきスピードで変貌を遂げ、市内のいたるところで「タイ人富裕層」をターゲットにした外国料理のレストランが次々に誕生している。その一方で、徐々にではあるが新感覚のタイレストランも登場している。“お洒落”“高級感”をキーワードにタイ料理と各国の料理が絶妙に融合(フュージョン)した“バンコク発の新タイ料理レストラン”である。少々大げさかもしれないが、タイ版『ヌーベル・キュイジーヌ』の幕開けである。
私個人の話で恐縮だが、現在、ある日系企業が企画・運営する若年タイ人富裕層をターゲットにした新規レストランの開店準備に携さわらせてもらっている。
バンコク中心地に『サイアム パラゴン』という巨大商業施設が建設されている。バンコク市民の注目を集めている施設のテナント店ということもあり、従来の「日本人が作る和風レストラン」ではなく、新感覚の要素がつまったレストランを作り上げようと、日々スタッフ全員が頭を悩ませている。
しかし、やはりそこにはタイならではの問題が…。施設自体の建設の遅れからオープン日がなかなか決定しないのである。2002年から建設が始まり、当初“2005年10月頃”オープン予定であったが、予定の10月になっても未だ建物は骨組みだらけで、コンクリートはむき出し、内装に手が届くなどほど遠い状況である。素人目からでも完成まではまだまだだろうと想像してしまう。(何とか年内中との噂ではあるが…さて!?)
予定通りに建設が完了しないのはこの商業施設に限ったことではなく、例えば、国をあげてのプロジェクトとしてアジア最大のハブターミナルを目指す「新バンコク国際空港」の建設さえも、完成時期が明確でない状況である。タイ人鳶職人は、特にマイペンライ精神が旺盛なようで、決められた期間内に工事が終わることはこの国ではまず有りえない事らしい。タイ人の時間感覚が「マイペンライ」すぎるのか、日本人だけがあまりに「マイペンライ」的感覚から遠いところにいるだけなのか・・・。いずれにしろ・・・疲れる。
|