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コラム&レシピ
来自北京 vol.1
〜「北京から」の意味。このコラムでは、実際に北京で暮らしている中で感じたことなどを綴っていきます。
分野も食の情報だけでなく、広く北京の今を伝えていくように努めます。〜
 
オリンピック開催間近 変わりゆく街、北京より
 
カウントダウン
カウントダウン
オリンピック開催間近、
天安門広場に設置されたカウントダウン
 
 
鳥の巣
北京オリンピックのメインスタジアムで、
正式名称「国家体育場」
陸上競技、サッカーなどが行われる
 
水立方
水立方
正式名称は「国家游泳中心」
光が当たると、水の泡のように見える
外観は、フッ素樹脂フィルムによるもの
ここでは、水泳、飛び込み、
シンクロなどが行われる
 
天安門広場
天安門広場
8月はじめの週末、見物客でにぎわう
 
舞動的北京
舞動的北京
天安門広場に飾られた
モニュメント
 
 
手話コンテスト
手話コンテスト
中国工商銀行の従業員による
手話コンテストの一幕
特にボランティアとして
参加するわけではないが、現在、
各事業所単位で自主的に勉強している
 
  2001年、オリンピック開催国決定
「旧的不去, 新的不来」とは言うけれど…


  「2008年、夏季オリンピックの開催地は、北京である」。
  2001年7月、国際オリンピック委員会(IOC)サマランチ会長の宣言から、7年、あと数日で、アジアでは3回目、20年ぶり、待ちに待ったオリンピック、パラリンピックがいよいよ始まります。

 中国では、改革・開放政策が行われてから23年間、初めての高度経済成長期を迎えています。2001年には、86年から15年にわたり交渉してきたWTO(世界貿易機関)への加盟が認められ、国内の経済は予想をはるかに上回る成長を実現、2002年には、GDP(国内総生産)8%を維持、2003年以降は、二桁の経済成長を示しています。

 二桁の経済成長と聞いても、なかなか普段の生活ではピンときませんが、イメージとしては、1カ月もすれば、新しい道路や建物が出来ている、これまではなかなか見られなかった、車椅子用のスロープなどが、地下鉄の各駅に設置されるようになった、そんな感じです。

  オリンピック開催がきまり、地下鉄やバス、空港も新しいターミナルができるなど、交通インフラがどんどん整備されています。同時に、昨日まであったレストランや「小売舗」などと呼ばれるような小さなお店、「胡同(横丁)」など、いわゆる「老北京」(古きよき伝統的な“北京”)の姿は、都市再開発のうねりの中で徐々に消えていこうとしています。





自転車王国はもう一昔前の話
オリンピック期間中の自動車規制


 経済発展の著しい北京で暮らす人々の生活はどんなものでしょうか。2003年夏から北京で暮らし、この夏でちょうど5年が経とうとしています。ここで少し、過去の暮らしぶりについて触れてみたいと思います。

 2003年8月末、北京語言大学で暮らし始めてからの第一印象は、「物が豊かである」ということに尽きます。留学前に各方面の中国留学経験者から集めた情報では、トイレットペーパーも持参していた、というものでした。(概ね90年代に留学していた方の話です)さすがに、そんな話を真に受けてトイレットペーパーまで持参することはありませんでしたが、それほど生活用品が手に入りにくいという認識でした。

 今はほぼ何でも手に入ります(北京や上海など、ある程度の経済成長を遂げた都市では)。物質的には、日本に住んでいるのとほとんど変わりません。二桁の経済成長の話に戻りますが、たかだか10年程度ですが、コンビニの普及をはじめ、生活を取り巻く環境は急激に変化していることがわかります。

 そしてもうひとつ、日本人の中国に対する印象の中には、「自転車王国」というものが根強く残っていると思います。私も過去に何度か中国を紹介する雑誌等で、天安門広場の前の大通り(長安街)を埋め尽くすように走る自転車の絵を見たことがあります。庶民の足の自転車も、今はもっぱら自動車が主流です。ここ数年間の自家用車所有者の急増は著しく、渋滞や大気汚染の原因としても、しばしば話題にのぼります。

  そこで、オリンピック開催を控えた北京市では現在、自動車通行規制、及び環境対策のひとつとして「単双号限行」が行われています。これは、車のナンバープレートの末尾の数字が偶数であれば、偶数日、奇数であれば、奇数日の通行しか出来なくなるという規制です(一部公共バスなどは適用外)。さらに外地登録者の市内流入などの規制措置を採ることで、オリンピック期間中の自動車の排気ガスによる空気の汚染は、63%減少すると見込まれています。



オリンピックがもたらしたもの

 北京市が開催地として選ばれてからは、外国のお客様を迎える準備が着々と進められています。道路沿いにある交通標識も、今は英語の併記がなされ、バスに乗れば、「Next stop is ----」と英語のアナウンス。そしてレストランでは、メニューについても翻訳の研究が進められています。

 そんななか、私の主観的な意見ですが、特筆すべきことと言えば、急激に高まった「ボランティアへの意識」ではと感じています。北京市は2006年から「微笑北京」キャンペーンを行い、ボランティア意識の向上に成果をあげています。

 学生を中心に、オリンピック、パラリンピックへのボランティア参加者は、約13万人、その他、都市ボランティアと呼ばれる街頭でのボランティア活動に参加する人の数は、約40万人に上るとも言われているなか、応募者数は約10倍にまでなったそうです。2006年から行われてきたキャンペーンによるボランティアへの意識の高まりの陰には、もちろん経済成長を遂げ、一定生活水準が保障されてきている表れでもあると思います。

  そして5月、四川省で起きた地震の際にも、多くの「80後」と呼ばれる若者たちがボランティアで駆けつけたという話や、かなりの高い金額の募金が寄せられたことも報道されています。

 募金については、多くの事業所が、募金額を公表し、お互いに募金合戦が繰り広げられた感も否めませんが、今回の地震での募金活動やその他救済活動について、私は肯定的に受け止めています。街の献血車にも長蛇の列をなしていた光景を見ると、市民のボランティア意識の芽生えを感じずにはいられません。その他、現在各職場単位で、英語の学習や、手話の学習が積極的に行われるなど、オリンピックの成功に向け北京市民全体が今、一致団結しています。

 北京オリンピックの開幕式は、2008年8月8日、午後8時、(日本時間は午後9時)から行われます。
 
用語解説

旧的不去, 新的不来:
「古いものが壊れなければ、新しいものはやってこない」。

「80後」:
一人っ子政策実施後に生まれた年代の子供たちを指す。家族の寵愛を一身にうけて育っているため、「小皇帝」などとも言われ、享楽的でわがまま、協調性や社会性に欠けていると指摘されている。反面、情報のマルチ化の中で成長しているため、海外の文化などへの受容性などは非常に高い。

胡同:

読み方は「フートン」。モンゴル語の「井戸、水井」が語源とされている。伝統建築の「四合院」がこの胡同に面しており、古きよき北京の面影を残す。主に海外からの観光客に注目され、人力車での胡同めぐりツアーも行われている。現在は、再開発のうねりの中、取り壊されていくもの、改築されていくものなどさまざま。
 

筆者/鈴木 稔
大阪あべの辻調理師専門学校1994年卒業 34期生
辻調理技術研究所1995年卒業 第7期生


卒業後、同校中国料理技術職員として勤務。
2003年3月同校を退職し中国北京へと向かう。
語学留学の後は、日本語雑誌『北京TOKOTOKO』、『SUPERCiTY BEiJiNG』編集部にて、現地の日本人を対象にした情報誌製作に従事、現在は、中日2カ国語によるコミュニケーション専門誌『中日伝播』編集部に勤務。
日本語ページ、文化欄等を担当。

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