民族性を言葉で表すのは正しくないかも知れないが、簡単に言うとタイ人は、おおらかで、陽気で、適当で、でも我はとても強く、自己主張はきちんとする。私は“タイ民族”のことをこのように感じている。
タイ王国自体は大陸続きで隣国と接しているため、歴史的に見ても各地から色々な文化が入って来た。宗教(主に仏教)・習慣・食事・風習・思考・祭事。その一つ一つがうまく融合をし“タイ”という全体文化が出来上がっている。
偏に「料理」もまたイコールで「文化」である。タイ料理は決して『トム・ヤム・クン』だけではない。この「海老スープ」だけでは知りえることの無い底知れぬ魅力が、“タイ料理”というカテゴリー内に沢山詰まっていると言えよう。
このシリーズの題名「マイ・ペン・ライ」というのはタイ語である。この言葉もまた、タイの文化を顕著に表わしている。あくまで例えであるが、下記のような場面でこの言葉は用いられている。
1.
他人の為に良い事をし、「ありがとう」と言われた後に、
「マイ・ペン・ライ」。
(どういたしまして)
2.
しかし、その後、実はその行為により問題が発生。
でも、ナントカなりそうな時、
「マイ・ペン・ライ」。 (大丈夫、大丈夫)
3.
ところが、タイは熱帯に位置する為、
あまりにも暑すぎて、
そのナントカするのが面倒くさい。
「マイ・ペン・ライ」。
(まぁ、いいか)
4.
案の定、重大な問題が発生!!
もう、あせってもどうしようも無いので
腹をくくり一言。
「マイペンライ」。
(仕方ないか…)
この「マイ・ペン・ライ」という言葉はタイ人と話をしていて、もっとも多く耳にするタイ語の一つである。それだけ、タイ人には「マイ・ペン・ライ」気質というものが備わっているということである。タイで生活をしていて気楽な気分になれるのも、逆にタイ人に何かと苦しめられるのも全てこの「マイ・ペン・ライ」が発せられる一瞬である。
そこでこのシリーズでは、「マイ・ペン・ライ」気質から全て発生しているタイ文化、そしてタイ料理を紹介していこうと思う。
それはそうと、タイという国はこの大らかさからか、時にビックリするような事件がよく発生している。つい先日には、バンコクで遊びすぎた、一文無し西洋人観光客が、なんとただの水鉄砲を持ってコンビニ強盗に入り現金を奪うという事が起こった。(勿論直後に御用。) タイの灼熱ともいえる程の空気は時に観光でやって来た外国人の行動をもおかしくさせてしまうようである…
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