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コラム&レシピ
セパージュを飲む

 スペインを代表する名葡萄。
 同国のほぼ全域で栽培されており、リベラ・デル・デュエロ地方ではティンタ・デル・パイス、カタルーニャ地方ではウル・デ・フェブレ、ラ・マンチャ地方やヴァルデペーニャス地方ではセンシベルという別名で呼ばれている。
 この葡萄を主体につくられるワインの中で、特に有名なのは、なんといっても、リオハ地方とリベラ・デル・デュエロ地方のワインだろう。
 リオハの有名な醸造元――たとえばマルケス・デ・ムリエタやラ・リオハ・アルタ、ボデガス・ムガ、マルケス・デ・リスカル、マルケス・デ・カセレス、シグロなどのレセルバ・クラスやグラン・レセルバ・クラスのワインは、他の国のワインでは絶対に味わうことの出来ない、艶やかでエキゾチックな熟成の世界を体験させてくれる。
 リベラ・デル・デュエロは、ベガ・シシリアという醸造元によって世界的な名声を博し、1980年代に入ってから、次々と素晴らしい醸造元が現れて、いまやスペイン最高の名醸地になっている。
 マルケス・デ・ムリエタの最上級品である「カスティージョ・イガイ」と、ベガ・シシリアの最上級品「ウニコ」は、スペインのみならず、世界の赤ワインの頂点を競う名品だと言っていい。
 この葡萄は、果皮が厚く、極めて色の濃い、力強く長命なワインを生むが、長い間、単独ではあまりにも硬いと感じられてきたようで、リオハでは伝統的にガルナッチャ(グルナーシュ)やマスエロ(カリニャン)、そして白品種のビウラ(マカベオ)などとブレンドされ、リベラ・デル・デュエロでは、カベルネ・ソーヴィニヨンやガルナッチャ、そして白品種のアルビーリョなどとブレンドされてきた。
 ただし、最近は、どの名醸地でも、この品種の個性そのものを味わいたいじゃないかという動きがあり、テンプラニーヨ100パーセントのワインが次々に生まれ始めている。
 中には、近代的な醸造法とフレンチオークの小樽による熟成を始めている醸造元もあり、そういう仕立て方をすると、この品種はみごとに華やかで香り高いワインになる。  
 伝統的なアメリカンオークの古い小樽に長く寝かす酸化熟成型のエステリーな風味も捨てがたい魅力をもつが、この新タイプのワインには、今後ますます注目が集まるような気がする。
 

●マルケス・デ・ムリエタ カスティージョ・イガイ
 リオハ地方


ルシアーノ・デ・ムリエタ侯爵が、1852年に創業した醸造所。地元の葡萄をつか い、古樽で長期間(時には数十年間)熟成させるという、今日のリオハワインの基礎 を築いた先駆者である。その先駆者が、いまだにリオハの頂点に君臨しているという 事実には驚かされる。カシスなどの黒い果実の香りと、コーヒー系の甘い樽香、テン プラニーヨならではのしっかりした酸味ときめ細かく濃密な風味が見事に調和してい る。10年程度の熟成ではまだまだ若すぎるほどに力強い。

●マルケス・デ・リスカル レセルバ
 リオハ地方


1860年にリスカル侯爵によって設立された名門。スペインで最初にボルドー品種 を導入した先駆者。ただし、今日では葡萄はテンプラニーヨを主体にマスエロ、グラ シアーノといったリオハの土着品種を使っている。創業当時からボルドー的な味わい を理想としてきただけに、リオハにしては酸味も穏やかで、果実味・タンニンとも に、まろやか。熟成に古樽ではなく新樽を使っているようだが、それほど樽香が勝つ 印象はなく、バランスのとれた洗練された風味を楽しめる。
●マヨール・デ・オンダーレ レセルバ
 リオハ地方

この醸造元の創業は1986年と新しい。リオハでは珍しく、テンプラニーヨ100%で、 樽も100%フレンチオークを使っている。線は細めのワインだが、イチゴやラズベ リー、ブラックチェリーなどを思わせるチャーミングな果実味と、品種特有のなめら かで艶やかな酸味、そしてフレンチオークの樽香とがあいまって、目隠しではブル ゴーニュと間違えそうなワインに仕上がっている。
●ベガ・シシリア・ウニコ
 リベラ・デル・デュエロ地方

誰もがスペインワインの最高峰と讃えてやまない名醸造所。ムリエタとリスカル が、リオハ地方で苦闘していたのと同じ頃に、ボルドーからの苗木と樽を持ち込み、 今もボルドー品種を使い続けている。品種の内わけはテンプラニーヨが50%。残りが カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、マルベック、アルビロ(白葡萄、5%まで)。 樽熟期間は極めて長く、時には20年以上に及ぶこともある。エキゾチックで華やかな 香りと、トロリとした濃密な口当たりはさすがという他にない。
●プロトス グラン・レセルバ
 リベラ・デル・デュエロ地方


樹齢40年のテンプラニーヨを100%使用。アメリカンオークの小樽で42ヶ月、瓶で 42ヶ月熟成させてから出荷している。ココナッツを思わせるアメリカンの新樽香が過 剰にあるが、口に含むと、完熟葡萄ならではの穏やかで落ちついた酸味と、やわらか い果実味が広がり、タンニンもきめ細かく、しっかりとしたコクもある。テンプラ ニーヨという葡萄がもつ、もうひとつの表情を見せてくれるワインだと言っていいだ ろう。
●ベガバル・プラタ グラン・レセルバ
 ヴァルデペーニャス地方


ドン・キホーテで有名なラ・マンチャ地方の南端にあるワイン産地。ちょっと上 等な日常ワインの産地だが、最近は樽熟成などにもこだわり、品質向上に努める醸造 元も増えてきた。このワインは、テンプラニーヨを100%使っているが、「つくり」 自体はリオハの伝統的な方法を模倣しているようで、古樽に長く寝かせた華やかな熟 成香と、きめ細かいタンニン、なめらかな口当たりという、スペインワインの一般的 な印象を、典型的に楽しむことができる。


山田 健(やまだ たけし)
1955年生まれ。78年東京大学文学部卒。
某洋酒会社が刊行している「世界のワインカタログ」編集長。
86年に就任して以来、世界中の醸造所めぐりをし、
年間2000種類以上のワインを飲みまくる。
著書に「今日からちょっとワイン通」「バラに守られたワイン畑」(共に草思社)
「現代ワインの挑戦者たち」(新潮社)他がある。
辻調おいしいネット「コラム&レシピ」内の
『今日は何飲む?』というコラムにて、
「今日は何飲む?」野次馬隊リーダーとして参加。

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