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世界で最も広く栽培されている白ワイン用葡萄
トレッビアーノ(ユニ・ブラン)

 おそらくはイタリア原産の葡萄で、イタリア、フランスはもちろん、世界中のいたるところで栽培され、酸味のきいた、軽くてあまり個性のないワインを驚くほど大量に生みだしている。
 サンジョヴェーゼと同じく変種が極めて多い葡萄で、イタリアだけを見ても、色々な地方名のついた変種がぞろぞろとある。
 特に有名なのは、エミリア・ロマーニャ地方のトレッビアーノ・ディ・ロマーニョーロだろう。この葡萄からのワインはトレッビアーノ・ディ・ロマーニャ(品種名とワイン名は、語尾が違うだけで実に紛らわしい)と呼ばれ、日本のイタリア・レストランでも、ハウスワインとしてごく一般的に使われている。多分お飲みになったことがあるに違いない。安くて癖のない、水がわりのようにして飲めるワインである。
 アブルッツォ地方のトレッビアーノ・ダブルッツォ(こちらは、ワイン名と品種名が同じ)も有名。特にヴァレンティーニのつくるそれは、1万円というとんでもない値段で、それでも世界中から引きが絶えないが、ワイン学者のジャンシス・ロビンソンによれば「おそらくトレッビアーノではなくボンビーノ・ビアンコをつかっている」とのこと。話の種に他のトレッビアーノ・ダブルッツォと飲み比べするのもいいだろう。
 ちょっと変わったところでは、ロンバルディア地方の「ルガーナ」というワインが、トレッビアーノ・ディ・ルガーナ90パーセント以上でつくられていて、なかなか面白い風味を楽しめる。
 他にもトスカーナ地方のトレッビアーノ・ディ・トスカーノやソアーヴェ地区のトレッビアーノ・ディ・ソアーヴェなどもあるが、それらの地方では、たいてい他の品種とブレンドされている。主体ではないにしても、この葡萄がつかわれているワインをざっとあげておくと、ソアーヴェ、フラスカティ、オルヴィエート、ヴェルディッキオ…と、あげていけばきりがないほどである。ただし、それらのワインの品質向上に貢献しているかと言えば、はなはだ心もとないとしか言いようがない。
フランスでは、世界最高の名酒を生む名葡萄

 フランスでは、この葡萄は一般にユニ・ブランと呼ばれており、イタリア同様、栽培面積は群をぬいて大きい。ただし、品質的に敬意を払われることは滅多になく、ワインの名前や解説にこの葡萄が現れることはほとんどない。
 ただし、コニャック地方では、事情がガラリと変わる。この地方では、ユニ・ブランはサンテミリオンと呼ばれており、最も高貴な葡萄だと考えられている。
 19世紀後半のフィロキセラ禍で、それまでの主役だったフォル・ブランシュ種やコロンバール種が後退して以降、コニャック地方の葡萄はほぼ100パーセント、サンテミリオン種の独占状態になっている。
 この葡萄の酸の高さが、蒸留前のワインの清潔さを保障し、アルコール度の低さが逆に働いて、蒸留時にアルコール以外の香りの成分の凝縮度を高めるという理屈である。ワインとしての欠点が、ブランデー原料としては、そのまま長所に転じているわけだ。
 

●トレッビアーノ・ディ・ロマーニャ
 カヴィロ社
 エミリア・ロマーニャ州トレッビアーノ・ディ・
 ロマーニャDOC

パルマ・ハムやボローニャ・ソーセージなどの食文化で知られるエミリア・ロマーニャ州産。カヴィロ社は、イタリア最大の農業協同組合の集合体で、工場の敷地に林立する石油タンクかと見まごうほどに巨大な発酵タンクの列を前にすると、人間というのは、どれほど飲んだら気が済むんだろうとほとんど呆然としてしまう。そういう大規模生産の権化のような会社だが、製品の質は安定しており、この会社がイタリアの日常ワインの品質向上に果たした役割は非常に大きい。

●トレッビアーノ・ダブルッツォ
 テッラ・ダリジ 
 スピネッリ家
 アブルッツォ州トレッビアーノ・ダブルッツォDOC

初リリースが1992年という新しい醸造元。40ヘクタールの所有畑で、トレッビアーノとモンテプルチアーノのふたつのブドウを栽培している。トッレビアーノ・ダブルッツォ種100%を使い、ステンレスタンクで低温発酵しており、極めてクリーンなタイプに仕上がっている。ほどよく熟したブドウに由来する、優しさと爽やかさを兼ね備えた酸味と、ふくらみのある口当たりは、日常楽しむにはとてもいい。コストパフォーマンスの良いワインだと言えるだろう。

●トレッビアーノ・ダブルッツォ
 エドアルド・ヴァレンティーニ
 アブルッツォ州トレッビアーノ・ダブルッツォDOC

伝説的な醸造家E・ヴァレンテーニによる別格のトレッビアーノ。古代ギリシアの哲学書や農学書にのっとった伝統的かつ頑固な品質至上主義で知られ、評論家のB・アンダーソン氏は、「世界で最も高貴なトレッビアーノ」と、このワインを絶賛している。炭酸が含まれていることがあるので、せめて数時間前にはデカンタに移し、やや高めの温度で楽しみたい。驚くほどに豊かなミネラルと、炙ったナッツやコーヒーを思わせる樽香とが、他では味わえない個性を奏でてくれる。

●ルガーナ ブロレッティーノ 
 カ・デイ・フラティ
 ロンバルディア地方ルガーナDOC

カ・デイ・フラティは、ルガーナDOCの代名詞ともいえる生産者。ブロレッティーノは、この醸造元がトレッビアーノ・ディ・ルガーナ100%からつくっている二つのワインのうちの上級品で、発酵・熟成がフレンチオークの小樽で行われている。レモンやライムを思わせる柑橘類系の香りと、蜂蜜、ミント、ミネラルなどの香りは複雑で魅力的。爽やかで切れのいい酸味と、ほどよい樽香とのバランスもよくとれている。

●コニャック
 クルボアジェ XO
 コニャックAC

コニャック地方は、テロワールによって、上からグランド・シャンパーニュ、プティット・シャンパーニュ、ボルドリー、ファン・ボワ、ボン・ボワ、ボワ・ゾルディノールの6地域に分けられている。偉大な酒は、前3者の産地から生まれ、特に前2者のブレンドで、しかもグランド・シャンパーニュの比率が50%を超えるものは、フィーヌ・シャンパーニュと表示することが許されている。このXOは、フィーニュ・シャンパーニュの繊細さと力強さ、華やかな香り高さと気品を兼ね備えた風味をベースにしながら、あえてボルドリーを少量だけ入れて(フィーニュ・シャンパーニュの表示を諦め)、スミレの香りとふくらみある包容力を添えた独自の風味をかもし出している。

 
 
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山田 健(やまだ たけし)
1955年生まれ。78年東京大学文学部卒。
某洋酒会社が刊行している「世界のワインカタログ」編集長。
86年に就任して以来、世界中の醸造所めぐりをし、
年間2000種類以上のワインを飲みまくる。
著書に「今日からちょっとワイン通」「バラに守られたワイン畑」(共に草思社)
「現代ワインの挑戦者たち」(新潮社)他がある。
辻調おいしいネット「コラム&レシピ」内の
『今日は何飲む?』というコラムにて、
「今日は何飲む?」野次馬隊リーダーとして参加。
 
コンピトゥムも協力しました

定価3,990円
監修:
辻調理師専門学校&山田 健
講談社刊

11月 下旬発売予定



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